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あるらしいと類推・定義するのは、多く発生している客観的な SD 効果の感知
報告に対して分析が不足していると言えるでしょう。
それよりも「効果例、悪弊例、無効果例」など、多数の発生条件と現象情報
を、実験等にて収集し、要素範囲を特定し、分析・類推を繰り返し、定性的な
精度を上げていくしかないと考えています。
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以下は私の実験結果、経験例および所見概要です。
PP 回路では NFB を外して、出力トランス中点に SD を挿入して音楽を聴取
して効果を確認するのが簡単な方法です。 低音域が異常に膨れました。
不平衡成分の押し返し・・・センターチョーク効果または差動終段回路効果に
類似動作の可能性。 Lが大きい OPT を使用したシングルの例にも類似です。
シングルの場合は、回路を切放するとスパークを発生するようなLの多い
OPT では概して SD 効果が感知されないか、または低音が異常に上昇し、小型の
T850 位のLの少ないと思われる OPT は適度な SD 効果が感知されています。
例えば T850 並列使用でも効果が感知される状況から推定して、終段管の内部
インピーダンスおよびマッチング状態、OPT のLとコアの大きさと材質、巻き線
の DCR、エネルギーの蓄積と放出の度合が関係するらしく、T600 一個等の
容量不足による磁気飽和に関しては別種の問題として整理すべきでしよう。
私の場合 CV18 A2級、6N7GT B級 各 pp アンプ、及びシングルアンプ二例
(300B/U808、2A3/10WS)、では低音域が異常に膨れたので SD を外しました。
network を併用しないフルレンジ一発では、一般に顕著に効果が感知されます
が、2way/3way でも若干感知されます。 その逆にインピーダンス特性が平坦に
近く調整されたらしい、優れた network 併用のスピーカ・システムでは SD
効果が殆ど感知できない事例がありました。
上記条件から network 込みのスピーカシステムのインピーダンス特性および
ユニットの磁気回路、可動部分のマスなど構造等も関係すると判定しました。