投稿者: kamegoro
投稿日時: 25/03/08 22:12:22
橋田様のオーディオ回路に対するあくなき好奇心に少しでもお役に立てているのであれば幸いです。今後のさらなる考察と実験検証に期待して応援しております。
まず、逆OPTによるイントラの適正な負荷抵抗は、その1次インピーダンス表記の抵抗値が妥当と言いましたが、それよりすこし高めに設定して高域(10KHz〜50KHzあたり)のピーク特性をお好みにコントロールすればなお面白いと思います。
半導体回路と真空管の直結回路の共通アースに関する考え方の前提の1つめは、オペアンプや真空管のような電圧制御型の増幅素子は、その入力基準電位に対してゲインを生じるという原理です。
ですから、例えばオペアンプの場合はそのマイナス入力端子が、オペアンプの出力端子と、入力信号のGNDとの分圧点として与えられていると思います。Dアンプでも同様に入力信号の基準GNDがあるはずです。
その入力信号のGNDと、次段の真空管のグリッド電位の基準GND(カソード電位からのオフセット電位)、NFBを使う場合は出力トランスのスピーカー端子のGND側の3つが、一点に接続されている(共通にする)状態が望ましいはずです。よく一点アースといって一筆書きに接続され、入力コネクタのGND付近でシャーシに接続されたアース母線を見かけますが、それはその電線を電源電流が流れていない前提で信号基準電位を共通にするという理窟であります。(複数の電源のGNDを共通にするのとは趣旨が違います。)
さらに、2つめは電源投入時の過渡状態を考慮します。半導体の電源(スイッチング電源を含む)は立ち上がりが早く遅くとも1秒以内に静定しますが、一方、真空管が動作状態に達してプレート電流を生じるためにはヒーターが灼熱するまでの時間を要するため、傍熱管で10秒オーダー、直熱管でも1秒オーダーの時間を要します。ですから、前述のGND基準の共通接続が適切であれば、真空管が動作する前にGND基準の各制御電位が確定しますので真空管にとっては準備が整っている訳で、過渡状態もさほど気にする必要はない様に思います。
音色的に味付けの少ない半導体アンプで、様々なパワー真空管を駆動してスピーカーを鳴らす、
そしてその真空管固有の音質を楽しんでみたい、という試みではないかと推察しました。
なかなか興味深いですね。