投稿者: 橋田
投稿日時: 24/08/17 09:39:16
菊地様
いつもご指導ありがとうございます。
非常に具体的にご説明頂き、うれしく思います。
菊地様の作ったアンプ、いつかはぜひ拝聴したいものです。
なお多くの場合、可聴域を超えて位相転回が起こるのと、
LCRの時定数等からその領域では同時に、大幅に
出力が減衰していて実用上は問題ないということかと。
ただ、これまでの解説では、高域で位相回転が起きるその
理由が電流の伝播速度だということがあまり指摘されてこなかった気がするのです。30mっていうのは、計算が楽だからそう書いたまでで、
実際には、どのぐらいの線長なのでしょうね。300mとかも
ありえるのでしょうか?
helicats様
ありがとうございます。私のような無知な者に電気工学の初歩をお教えいただき、感謝いたします。
ですが、その冒頭の式が間違っている、というか、実用的な範囲では
正しいのだが、電流の伝達速度が問題になる現実の回路では「本当は」
妥当しない、ということを申し上げているのです。
つまり、負荷の両端に電力が『同時に』生じるということは伝達速度を捨象しているからで、伝達速度が無限大であるという一種の擬制なのです。
しかしながら実際には伝達速度は有限です。普通の回路では、
それを無限と前提としても十分に実用になるほどに十分に大きいにすぎません。
実はオーディオで扱うデータは、100dBも違う微小量すら容易にかぎ分けることができるぐらいに、微小な単位が問題になるのであって、
そこでは、電気工学(の基本公式)が前提としている捨象された前提が問題になりうるのです。
わかりやすい例を挙げれば、アースの落とし所です。
無限大なら、アースはどこに落とそうが関係がないはずです。
しかし実際にはループを生じる。これは電流の伝達が無限大速度では
ないからです。そして金属板が抵抗がゼロに近いとしてもゼロではない、
からでもあります。
電気工学で「十分に大きいから、十分に小さいから…」捨象して
しまった近似値での数式では見えてこない世界がある、というのですが、
いかがでしょうか?挙げられた式において、線材の長さと電流の伝達速度が変数定数として含まれていない以上、いま議論している事象を説明するには十分ではない、ということなのです。
うろ覚えだし、もう手にすることができないので何とも言えないのですが、真空管回路でNFBの位相回転に関して数学的な解析を行ったものに
たしかcが出てきてたような気もするので、電気工学でもやはり、状況に応じてcを問題にするのだろうとは思いますが。
あとは、電力業界の方々にとっては、fは低いけど、線材の長さがとてつもなく長いので、業務的に当然cを意識しておられるだろうなと。
以上を含め、根本からの誤解を犯している気もしますので、
失礼の段はお許し下さい。
今、考えているのは、位相反転段を入力トランス2つ(つまりCTナシのトランス2つ)、ないしは平衡伝送で単に2つの逆接続の信号を増幅し、最終段で合成する、
という回路なのです(前者も要するに平衡伝送化といえば同じことです)。これだと、なんとかパルス信号について
合理的な合成ができるような気がしているのですが、こんな単純な
位相反転について、前例が見つけられないでいます。
ドライバー段でCT付の位相反転は普通にアリなんですが。