投稿者: VT
投稿日時: 25/04/28 20:35:21
谷口様
はい、MJ2023年2月号を持っています。
記事の回路図では、KT88のKと6SJ7のG2に行く線は、NFB用の巻き線の下側から取っています。
で、PMF-30WS-1.6Kのトランスは図5にあるように1次側上端子(P)の電圧が高い時は2次側の上の端子(SPの16ΩとNFBの24Ω)の電圧が高くなるように巻かれています。
そこでNFBの24Ω側をGNDに落としてNFBの0Ω側から信号を取り出すことで正負を反転して、それをKT88のKと6SJ7のG2に戻している(帰還)しているので、負帰還(NFB)になっているわけです。
一方、NFBの24Ω側やSPの16Ωから戻すと正の信号のまま戻すから正帰還(PFB)になってしまいます。
負帰還というのは、車に例えると速度が上がりすぎたら減速し、速度が下がりすぎたら加速することで適切な速度で走るようにコントロールをしている状態ですが、現在の正帰還の状態はこれの逆で、速度が上がりすぎたらさらに加速し、速度が下がればさらに減速するというコントロールをしている暴走自動車状態になっているので、あちこち電圧異常が生じているということです。
もう一つ気になるのは出力トランスを変えていることです。
54頁の「また、低端域でのピークを抑えるためのコンデンサの容量は0,068μFが私のシステムでは最適となりました。同様に広域でのあばれをなくすために積分補正回路(30pF+22KΩ)も入れてあります。」という記述は、逆に言うと、高域や低域の特性に影響を及ぼす出力トランスを変えてしまったら、ここも併せて調整の必要があるかもしれないという点です。
そこで、できればまず「KT88の自己バイアス抵抗である1.5KΩと出力トランスの間の配線を外して1.5KΩを直接GNDに接続する」ことでKT88-6SJ7間の帰還だけ有効にして、出力トランスは帰還ループの外に出した状態動作チェックをします。(この状態でもDCレベルでは問題なく動作し、音質はいざ知らずちゃんと音も出るはずで、ダメなら他にも問題があるということです。)
それで問題がなければ1.5KΩを0Ω端子側に16Ω端子はGNDに接続しなおして最終チェックするというステップを踏むことをお勧めします。