投稿者: 橋田
投稿日時: 24/11/02 10:14:50
自分も全くの素人であること、安藤様と一緒ですが…
ご質問の趣旨は、
@以前ペアーで手に入れた6R-P15がある、
A6BQ7の回路図がある/6BQ7のセットがある、のでその代わりに使ってみたい
ということなのではないでしょうか?
その意味なら、自分は、「基本的に問題はない」と考えます。
ただし、1点だけ注意事項があります。
両者とも外観も似ており、9ピンのmT管です。
ヒーター電流が若干、6R-P15の方が、低い(0.76Aと0.75A)のですが、
トランスレス方式や、抵抗でヒーター電力をドロップしているような
特殊な回路でない限りは、低い電流の6R-P15に差し替えて問題ないかと。
(というかこの程度の差は、下にも書くように公差の範囲内です)
動作曲線も似ています。そもそも真空管の規格ってかなりアバウトなのでメーカーが発表した動作曲線がピッタリ実際の真空管の動作に重なる保証もありません。大体±10%とかそのぐらいだったと思います。その点からも、動特性でも差し替え可能かと。
プレート損失、スクリーングリッド損失の最大定格は、6R-P15の方が大きいので、これまた、6BQ5『から』6R-P15に差し替えるのは可能です。
逆のケースは、動作条件をみないと、6BQ5を痛めることになります。
ピン配置は、1番ピン以外は一緒です。1番ピンは、6R-P15は、2番ピンとともに第一グリッドなのです。
これに対して、6BQ5はIC(内部の電極のどこかに繋いでいる)とする
文献と、NC(どこにも繋いでいない)とする文献があります。
6BQ5はもともとヨーロッパのEL-84がオリジナルで、それを含め
大量に作られたので、メーカーや時期により1番ピンの接続が違う可能性があります。
で、万が一、あるセットとかで、この1番ピンを、NCだと扱って
配線の都合上、何らかの部品をぶら下げているような場合には、
差し替えはできないということなのですが。
ただ、普通はそんなことしないので。
また、ICの場合に、『第一グリッド以外に内部的につないでいる』という
場合にも、そのセットが、そのことを前提に、特別な配線をしていたりすると、差し替えると6R-P15では、第一グリッドにつながっているのですから、問題ですが、普通はそういうことはしません。
つまり、6BQ5のセットで1番ピンは、何も繋いでないというのが殆どのはずなので、それであれば問題がないと思われます。
(6BQ5が手元にないので確認できないのですが、よくあるケースは、ICは、第二グリッドに繋がれていて、放熱のために、正規の第二グリッドと結線して放熱を促す、場合によってそのために板状の電線を使うこともある、ということなのです。なぜ6R-P15が、放熱を考える必要が低い第一グリッドを1番ピンと2番ピンにしたのかが分かりませんが、高周波回路での活用も考えてのことだったのかもしれません)
また、これからご自分で作ろうというときに、6BQ5の回路をそのまま使うのであって、ご自分で配線を考えて作るなら問題はないですが、実体配線図とかもそのままコピーするときには、この1番ピンの扱いは要注意です。
6R-P15は、日本の真空管製造技術が当時の欧米を追い越し性能的にも優れたものを作れるようになった時代の一つの精華かと思います。
ですが、他に追随する海外メーカーがなく、日本独自規格として終わったために、現在入手も困難だし、作例も少ないということかと思われます。
せっかく入手された真空管ですので、どうかそれを生かされるのが、よろしいかと思いますし、真空管は大抵のことではダメになりません。5極管シングルでも三結シングルでもまず無NFBでお作りになられてはいかがでしょうか?分からないことがあれば、どなたかが親切に教えてくれるかと思います。
以上、お役に立てれば。