第4回 山中湖合宿

2010年10月23〜24日

−於思学荘−


 今年は、夏の猛暑のせいか紅葉が始まったばかりの山中湖でした。参加者は14人でしたが、機材はたくさん集まり、充実した内容でした。


今回のテーマは
1.出力インピーダンスを合わせると、音は同じになるか?
2.NFB量を変えると音が変わるか?
3.6V6の球を入れ替えると、音が変わるか?
4.電源絶縁トランスを使用すると、音が変わるか?
5.マルチアンプシステム
@石田さん3wayシステム
A大塚さん3wayシステム
B堀尾さん5wayシステム



音源
CDプレーヤ、パソコンのUSBサウンドユニットなどを適宜使用しました。
スピーカー
   マルチアンプシステムを鳴らすために3組みのスピーカーシステムが集まり、更に、 予備のスピーカもありましたので写真のような状態になりました。




1.アンプの出力インピーダンスを同じにすると音が同じになるか?


 曲は、森山良子「春夏秋冬」の「さよなら」を使いました。 6V6手作りアンプの会標準アンプ (出力インピーダンス3.5Ω)と 小信号トランジスた100パラアンプ (出力インピーダンス0.5Ω)を使用し、100パラアンプに3.3Ωの抵抗を直列に入れて比較しました。
その結果、出力インピーダンスの違いよりもアンプの音の違いが大きいという結果になりました。
 試しに、小信号トランジスタ100パラアンプに8.2Ωの抵抗を直列に入れると、音がまろやかになりました。しかし、 小信号トランジスタ100パラアンプの音の傾向は変わることがないことを確認できました。




使用したアダプタ


番外編
デジタルアンプの出力インピーダンスを測定。 ノイズは多いものの、
ほぼ出力インピーダンスがゼロであることが分かりました。



2.NFB量の違いによって音が変わるか?


 NFB量を変えたら音が変わるか? アンプは荒木さんが準備したEL34シングルです。 NFB量を変えても音量が変わらないように入力にアッテネッターを加えてあります。  特性、回路図などはこちらです。
 NFB量が7dB程度ですっきりした音になりますが、それ以上になると、圧縮されたような音になる傾向が出ていました。 NFB無しだと、半数くらいの人が好きな音ということでしたが、好みではないという人も半数くらいいて好みが分かれていました。


アンプの動作確認


回路及び特性の説明中


EL34アンプ、NFB切替回路それに入力のアッテネッター





3.6V6はメーカーによって音が違うか


 6V6手作りアンプの会標準アンプの出力管を交換して比較試聴を行ないました。

1.ウェスティングハウス 6V6G ST管 10,000/2本 程度
2.トローナル 6V6GT 1,800/2本 程度
3.アンペレックス 6V6GT 3000/2本 程度

1は、経年変化のせいか、硬めの音 (この音が好きな人1人)
2は、やさしい音。値段の割には検討している (この音が好きな人5人)
3は、細かい音がきれいに出ていてエコー感がいい感じ (この音が好きな人4人)

 試しに、1種類の真空管を、他の真空管と比較すること無しに 鳴らしたときに聞き分けることができるか、ブラインドテストをしてみました。 鳴らしたのは1番の真空管でした。その結果、1番と答えた人が 4人、2番と答えた人が4人,3番と答えた人が3人になりました。
 時間が空いてしまうと記憶が曖昧になってしまい、比較試聴にならないことがよく分かりました。




ブラインドテストの準備




ブラインドテスト中(操作は安江さん)



4.電源絶縁トランスを使うと音が変わるか?


 2.7Aと10Aの絶縁トランスを使い、絶縁トランスの有無による音の変化を比較しました。
 まず、6V6手作りアンプの会標準アンプを使って比較してみました。ただ、音の変化はかなり小さく、 違いが分からないという意見も多くありました。10A絶縁トランスを使った場合が一番良いようで、次が絶縁トランス無しでした。 2.7A絶縁トランスを使った場合は、音が荒れるような印象がありました。 ちなみに電源電圧は、絶縁トランス無しで97V、2.7A絶縁トランスを使うと107V、10A絶縁トランスを使うと103V程度でした。
 小信号トランジスタ100パラ無帰還アンプを使った場合は、もっと差が小さかったです。それでも、 10A絶縁トランスを使った場合が一番良いような印象でした。 更に、10Aトランスと2.7Aトランスを2段重ねてみると、絶縁トランスの効果が良く現れているような印象がありました。
 以上のように、絶縁トランスを使用した場合は、音の雰囲気が変わるという程度で大きな変化はないです。しかし、 微妙ながらも音の変化はあるので、うまく使えば有効ではないでしょうか。




使用したトランス



5.マルチチャンネルシステム



 マルチチャンネルシステムを使ったシステムに共通しているのは、自然でバランスのよい音であることです。ベリンガーを使うと、 調整が簡単で、目的の音に早く近づくことができそうです。

@石田さん
 パワーアンプにSATRIアンプを使用していました。スピーカーは、石田さんの2wayに堀尾さんの20cmウーハーを追加して音出ししました。
 生録音のソースを中心に再生していました。強烈な低音の再生では、ウーハーの箱が動いて上に載っていたスコーカーやツィータが 落ちるというハプニングがあって、皆びっくりでした。






A大塚さん
 パワーアンプには黒モグラ6台を使用していました。スピーカーは、ウーハーFW-208N、スコーカFE168n、ツィータFT100Tでした。 バランスの良い聴きやすい音で鳴らしていました。クロス周波数は、 150Hz、5.5kHzということでした。




B堀尾さん
 自然でまとまりがよく、普通の音で鳴っていました。
 ウーハーFW-208N、ミッドバスFE-208n、ミッドハイFE88n、ツィータFT-17H、スーパツィータFT-90Aで、クロス周波数は 250Hz 790Hz 3.5kHz 7.3kHzということでした。





自作機器試聴会



 安江さん、木村さん、鈴木さんなどのアンプの試聴をおこないました

安江さん
 
木村さん

 

 

会場の様子


   




食事など




集合写真







合宿後の写真分科会





文章:蝦名、写真:内田、内山、蝦名、堀尾

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