設計者からのアドバイス

このアンプの再現製作を試みる方は、半田付け、テスターの使い方、 回路図から配線、ができる事を前提としています。
必ずしも部品、真空管の原理、回路の意味などが分からなくても作ることは可能ですが、 できるだけこの際勉強しておいて、次に進めば、益々楽しみが増します。
工作、配線は各自工夫してください。
  1. トランスの穴 (四角穴) が予め開けてあるシャーシーを購入すると楽です。
    ベテラン諸氏でもシャーシーにトランス用の四角い穴をあけるのはウンザリのはずです。
  2. 工具は、少なくとも、ドリル、やすり、ニッパー、ペンチ、半田付け道具一式が必要です。
    電動ドリル、シャーシーパンチ (20mmφ、30mmφの穴あけ) があれば楽です。
    テスターは勿論必要です。
  3. 購入したシャーシーには、写真を参考にして穴の位置を決め、印を入れてください。
    会の試作品の通りにすると、余計なねじの頭がシャーシー上面に出ないで仕上がりが綺麗になります。
    トランス類を取り付けたら、紙とテープで保護して、裏返して配線した時、傷がつかないようにしておきます。
  4. シャーシー中央部分に空気抜きのような丸アナがあいていますが、これはあけなくても結構です。
    ここは将来整流管を試したい方のための取り付け穴にもなりますが、 西川さんの工夫でハニカム状の飾りが付いています。
    6V6 は大して熱くなりませんから特別な空気穴は無くても大丈夫です。(シャーシーの板から放熱)
  5. 塗装は、シャーシ表面を紙やすりで磨いて、金属用下塗り(プライマー)を吹きつけ、 乾燥したらお好きな色に塗って下さい。
    裏面は塗装不要。
  6. 部品配置は、シャーシー内の写真を参考にしていただければ、 大き目の部品はその位置が分かると思います。
    この試作アンプでは細いより線を使って配線し、束ねてありますので、 配線を写真から追うのは難しいと思いますが、 主要部品の位置が決まれば、各部を回路図を見て配線していただければ結構です。
    綺麗に結束しなくても構いません。
    各部に流れる電流は僅かですから太い線材は使わない方が楽です。(写真参照)
  7. 出来上がったら、配線をじっくり確かめます。 半田付け不良はトラブルの王様。配線間違えも結構あります。
    再確認後球を挿してSWオン!
    このとき、煙、変なにおい、変な音が無いか五感を働かせます。 ヒューズが飛んだりしないですね。 素早く出力管のカソード (270オームの大きい抵抗の真空管の脚側) の電圧をチェックし、 回路図のように 12-14V 程度であることを確認します。
    異常なければ回路図の各部の電圧を調べてください。
    10分位待って再度チェックしメモしておくといいでしょう。
    早速鳴らしてみましょう。綺麗に音が出たと思います。
雑誌や本をみるとなにやら特別な (高価な) 部品や配線材などを薦めている方が居ますが、 あまり効果はないと思って間違いないでしょう。
普通のもので作ってみてください。 三万円でいい音がします!!
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