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MOS-FET 2SJ200/2SK1529
トランスリニャ
バイアス
パワーアンプ
製作

 

 

オーディオパワー用MOS-FETとしてお馴染みの2SK1529/2SJ200とドライブ用の2SK2013/2SJ313。
そのId-Vgs特性を見て、これならもしかしてトランスリニアバイアス回路ができるかも知れないと思いました。

試しに下図の接続で電源電流Iddが0.3Aとなる電源電圧Vddを測定。

    

測定の要点

尚、大量にシステマチックに選別するのにこの行き当たりばったりの方法は適しません。温度、Id一定条件で測定したVgsの同じものをペアにするのが妥当なやり方です。

この目的でサトー電気から10個づつ購入したものでは適当な組み合わせができず、以前にオテックや若松通商から購入したものを混ぜて組み合わせました。
結果として2SK1529/2SK2013と2SJ313/2SJ200に測定値8Vのものが2組得られました。

そして次に2SK1529/2SK2013と2SJ313/2SJ200の測定値の近いもので下図の接続をして、オシロスコープのDC電圧の小さい組み合わせにします。
オシロスコープを使うのは発振してないことを確認するためです。

 

オシロスコープのDC電圧10mV程度のものが2組できました。

私のパワーアンプに対する穢れ無き望みと直向きな努力に、神様がステレオアンプの製作に使えよと授けてくれたご褒美なのか、(←笑う所ですよ)
こういう使い方が予め想定されていたかのようないい感じの組み合わせなんだから、これはもう造るしかないという気になりました。


アンプ回路図

 

電源回路図


基板 (サイズ:50mm×78mm トップビュー)

写真で見せる基板


放熱板は1mm厚銅板で作った


ケースはタカチHY133-23-23SS(W230×H132.5×D231)です。
デザインのアクセントとして電源トランスの取り付けねじを、フロントパネルど真ん中にあしらいました。

RCAピンジャックに、通電中でも抜き差し可能なセーフティタイプを奮発しました。

内部の容積率50%以下で空間に結構な余裕があります。

ブロックコンデンサは手製のサブシャーシに載せました。
そなためにタカチの専用取付具HYCL-23を使用しています。

ブリッジダイオードの放熱は特に必要ないと思いますが、固定することが目的でサブシャーシにネジ止めしました。

足はシルバーのケースに合わせて透明なものを採用しました。

これでいいのだ。

と思ったが甘かった。
片チャンネル毎なら何の問題もないのに、LR入力のアースをつなぐと電源周波数のリップルノイズが発生。
電源トランスを磁気シールドすると改善が見られることから、アースラインのループに電源トランスからの誘導ノイズが乗ることが判明しました。

電源トランスには適当なケーキ型(ブリキ12cm)を、内側に珪素鋼板(磁気シールド材)とラムダゲルシート(絶縁、防振、伝熱材)を敷いて装着ました。
アースラインのループの面積が小さくなるように配線を変更しました。

ブロックコンデンサをコの字に曲げたアルミ板の上に取り付けました。

コの字に曲げたアルミ板の内側に整流ダイオードと電源トランスへの配線が収まる。

ゴールドにお色直し


周波数特性

雑音歪率特性 (日本オーディオUA-1S  8Ω抵抗負荷)

ドレイン電流波形 1kHz (RL=8Ω 出力:10W 電流検出抵抗:0.1Ω)

ドレイン電流波形 50kHz (RL=8Ω 出力:10W 電流検出抵抗:0.1Ω)

1kHzと50kHzでは変わりないが、更に高い周波数では電流検出抵抗のインダクタ成分で電流減少方向にオーバーシュートを発生して、正しい電流波形を観測できませんでした。


血も涙も無い鬼のように冷淡でエグイ物理特性のパワーアンプの音をイメージできますか、筆舌に尽くし難い無味乾燥な音ですよん。 でも自分的には夢美歓爽。

アンプとは『増幅器』と字で書いた通りに器(うつわ)であるからして、器から味が出たり色が付いては安心できない。
そんな器を使っていたら、身体が蝕まれて健康を害し、脳をやられて神経に障害が出る、といっても今更もう既に手遅れかも知れないが。

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