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ムゲンダインとは 回路例 原理をシミュレーション ZDRの原理 OPアンプによるシミュレーション
AEの動作を訂正 正帰還によるZDR 正帰還回路の方式 ZDR回路例 D-NFBアンプ

D-NFBアンプをNFBアンプの中に入れる

ムゲンダインを改めて考える ムゲンダインOPアンプ    

ムゲンダインとは

NFB AMP

上図に示すNFBアンプは、
Vo=Vi/β である。
Aのゲインが無限でない限りVeが存在し、
Vi=Vni-Ve  となるから、
Vo=(Vni-Ve)/β  となる。

Vni=Vsであるから
Vo=(Vs-Ve)/β  である。

Ve にはAの歪が含まれているため、
Aの歪がなくならない限り、
歪のない増幅はできない。

Mugendyne AMP

NFBアンプのVeを上図に示すようにVsに加算すると、
Vi=Vs+Ve-Ve となり、
Veが消去されて、
Vi=Vs となるから、
Vo=Vs/β となるため、
歪のない増幅が可能になる。

このアンプのINとNFB間には電圧が発生せず、
見かけ上、開ループゲインが無限大になることから、
ムゲンダイン(Mugendyne)アンプと命名した。

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回路例

VeをIN側に加算するには、その前段の回路を借りることが出来れば簡単に出来そうだが、そうでないと大掛かりな回路になってしまう。
そのためNFB側でβVoに-Veを加算しても同じ結果が得られるので、下図のような回路を実験しました。

KのアンプはR1〜R4によって差動増幅器を形成していて、AのアンプのVeを検出してAのアンプの-入力側に-Veを与える。
Kのアンプの出力電圧Vkは、R6とR3+R4の並列合成値RaとR5で分圧されるので、Vk=-Ve(R5+Ra)/Raであればよい。

実験回路

初めはデュアルOPアンプICで上の回路を組んでみたのですが、歪がノイズに埋れて観測不能でしたので、下図のデスクリートで組んだ歪の大きいアンプをベースに実験してみました。

NFB AMP実験回路

このアンプの特性は、出力抵抗 0.8Ω、 歪率 0.4%(1kHz、8Ω負荷、1W出力)
VR100Ωを調整して出力段のアイドリング電流を増やすと出力抵抗と歪率はこれより減少します。

下図のようにOPアンプIC(4558)を使った-Veを加算するための回路を付加しました。
この付加回路をECA(エラーキャンセルアンプ)とでも名付けておきます。

Mugendyne AMP実験回路

VR5kΩを調整すると、歪波形の振幅が減少して行き最小点を過ぎると位相が反転して増加することで、歪打ち消し作用を観測できます。
最小点の歪率 0.0042%(1kHz、8Ω負荷、1W出力)、 出力抵抗は 0Ωでした。
歪が完全に無くならないのはECAに歪があるためだとすると、この回路で歪を完全に無くすことは不可能です。

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原理をシミュレーション

AeとAmは電圧制御電圧源であり、長方形の部分が制御電圧を与える側で、ひし形の部分に出力電圧が発生します。
このデバイスは制御電圧に対する出力電圧のゲインを設定することが出来ます。
出力抵抗は0で歪も周波数特性も無い理想デバイスです。

Aeのゲインは1でなければなりません。
Amのゲインは0以上であれば正負の極性も問いません。
 

Vinは入力信号電圧です。

VdはAmに発生する歪電圧です。

VeとVoは電圧計で、Voは出力電圧を観測し、VeはAeに発生する電圧を観測します。

このシミュレーションの回路はVin=Voとなり、Vdは出力に全く発生しません。

AmのゲインをAmとすると、Ve=(Vin+Vd)/Am という結果がシミュレーションで得られました。
Amが大きいほどVeは小さくなりますが、Amが小さくなるとVeが大きくなるので、Aeの出力電圧がクリップしない限り、Amが小さくなってもVin=Voが保たれます。



Aeをゲイン1のアンプであるエミッタフォロワ回路に当てはめると、下図のように端子が該当します。

Amを下図のようにトランジスタに当てはめるなら、シミュレーションの回路はエミッタフォロワを形成しています。

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ZDRの原理

ムゲンダインとZDR(ゼロ・ディストーション・ルール)は同じ原理です。
ZDRは入力と出力を比較してアンプの発生する誤差を検出し、その誤差を反転して入力に加算することで誤差をキャンセルするという考え方と、NFBループの中のアンプのゲインを正帰還によって無限大まで高めたものだという考え方があり、どちらの考え方も成立します。

下に示すZDRの原理図のAは出力段回路でゲイン1の電圧フォロワです。

Aの出力電流は大きく変化するため、Aのgmが無限大でない限り、Aの入力VXと出力VOUT間には電圧差が発生し、これこそが入力信号電圧VINとVOUTの誤差でありAの発生する歪なわけです。

原理図ではVOUTからVXを引き算することでAの誤差電圧VEを検出して、そのVEをVINに逆加算したものをVXとすると、VOUT=VINとなり歪の発生が無くなることを示しています。

VINとVOUT間には電圧差が無いので、Aは無限大のゲインを持っているように見えることから、私はムゲンダインと名づけてゲイン1の電圧フォロワ だけの利用に止まらない新しい展開を追求しようと考えています。

原理図は加算器2つ使うまどろっこしい回路ですが、私は下図のようにゲイン1の電圧フォロワ(AE)に、VXを基点にしたVOUTの電圧(V1)を入力し、VXを基点にしてVINとの間に出力電圧(V2)を加える方法を編み出しました。

入力信号電圧ラインに 電圧フォロワを電源ごとフローティング状態で載せてしまうという、常識外れの無謀さを懸念する反面、誰も試みなかった新方式で未開拓の荒野に踏み出す気分にわくわくします。

この方式は入力と出力の引き算だ何だかんだといったことをしないで、出力段に与えられる入力電圧をそのまま入力信号電圧に加算するという簡単なやり方であるため、様々な回路に応用できる可能性 があります。

下図のように帰還量を変えることで任意のゲインのアンプに出来ます。

非反転増幅

反転増幅

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OPアンプによるシミュレーション

OPアンプのモデルを使ってシミュレーションしてみました。

ただしSpiceのOPアンプのモデルの中には、電源をフローティングするとOPアンプの出力と接地間に大きなリーク電流を生じるものがあり、そうしたものは使えませんので予め確認する必要があります。

リーク電流確認回路
 
左がフローティングでは使えないOPA637で+55.82mAもあります。
右は今回使用したAD847で-755.03pAとなっています。

出力段の電源は接地されるので、出力段にはOPA637のモデルも使用可能ですが、このシミュレーションでは全てAD847を使用しました。

下図がシミュレーションした非反転アンプの回路です。

歪打消しの効果を見るためには回路自体の歪が少ないので、歪電圧としてVD(方形波±1V、tr=tf=1μs、5kHz)を出力信号に加算しました。

下図はVINに正弦波1kHz 1Vを与えた時、VOUTに発生する出力電圧波形。

下図はVINに方形波±1V、tr=tf=0.1μs、10kHzを与えた時、VOUTに発生する出力電圧波形。

下図は周波数特性と位相特性。

下図はVDの影響を見るためにVIN=0にした時のVOUTに発生する出力電圧波形。

VDの立ち上がりと立ち下がり分部でひげ状のノイズが出ています。
そのひげの分部を拡大したものが下図で、どの分部を拡大したかは時間目盛りを見てください。

これはVDの立ち下がり部分の波形であるため、立ち下がりの始めで負のスパイクが生じて、立ち下がり途中は平坦になり、下がり切った所で負のスパイクが生じています。
これによってVDに急峻な変化成分がなければ、VDは出力には現れないことが確かめられました。

しかし、これだけ見てもどの程度の効果が出たのか分からないので、下図のAD847の非反転増幅回路をシミュレーションした特性と比較してみます。


歪電圧として同様のVDを加えています。

下図は周波数特性と位相特性。

位相補償コンデンサなしでも位相余裕が確保されてるのは流石です。

下図はVIN=0にした時のVOUTに発生する出力電圧波形。

VDの立ち上がりと立ち下がり分部で出るひげ状のノイズの振幅が大きいだけでなく、平坦分部の電圧もVDの影響で変化しています。
ひげの分部を拡大したものが下図です。

 

下図は反転アンプの回路で、シミュレーションの結果は非反転アンプと大差ありませんでした。

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AEの動作を訂正

AEを電圧フォロワ動作と勘違いして、このアイデアを画期的と思っていましたが、実はベース接地動作同様の回路に∞の負荷を与えてゲインを∞にしただけであることに気付きました。
現実には∞の負荷は不可能でゲインを∞もあり得ない、絵に描いた餅に過ぎませんでした。
基本的回路は私が以前に考えたボルテージミラー回路と同じものです。
画期的と思ったものが何のことは無い既存の回路の別解釈とは、私にはよくあることですが、気付くのが遅過ぎてああ恥ずかしい。

ボルテージミラー回路

 

下図を改めて見ると何のことはない、AEはAMの-入力とVIN間の電圧を、AEのオープンループゲイン倍に増幅してAMの+入力とVIN間に与えているので、AEとAMの縦列接続に過ぎないということです。
斯様につまらぬことでお騒がせして、まことに申し訳ありませんでした。

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正帰還によるZDR

下図に示すようにZDRの原理を表す等価回路1は、等価回路2に変形することが出来ます。このことは数式でも証明できます。

等価回路1
等価回路2

等価回路2は入力信号電圧とフィードバックした出力信号電圧の差分に、アンプの正味の入力電圧Vxを加算し、Vxを加算したものにまたVxを加算するという帰還率1の正帰還回路が、NFBアンプのループ内にあります。
この正帰還作用によってNFBアンプのループゲインが∞になるために歪が無くなるわけです。

Aのゲインが∞ならば正帰還回の入力電圧と出力電圧の大きさは等しいですが、Aのゲインが低いと、その分だけ正帰還回の出力電圧が大きくなり、トータルのループゲインが常に∞となるように動作するシステムなのです。

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正帰還回路の方式

直流結合で可能な正帰還回路には次のものがあります。

フリップフロップ型
トライアック型
エミッタ結合型

これらの正帰還回路は単独ではONかOFFの状態でしか安定しませんが、これをNFBアンプの中に組み込み、リニアな範囲の∞ゲインを利用する所がZDRの真髄なのでしょう。

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ZDRの回路例

フリップフロップ型

原則ではR1=R2、R3=R4ですがベース電流の影響があるため、僅かにR1>R2、R3>R4に調整すると歪電圧VDが打ち消されます。
出力段のアイドリング電流はICCを調整することで行えるますが、調整は非常にクリティカルです。

トライアック型

黒田さんの製作記事にある方式です。
カレントミラーのエミッタ抵抗を取り除き高い周波数成分まで歪の打ち消しを可能にしました。
原則R1=R2、R3=R4ですがベース電流の影響があるため、僅かにR1>R2、R3>R4に調整することで歪電圧VDが打ち消されます。
出力段のアイドリング電流はVBによって調整できます。
IBはVBにシャントレギュレータを用いた場合に、VBの動作電流を設定するもので、VBが電圧源であるこのシミュレーション では無くても動作します。
VINの内部抵抗がR1、R3に含まれるので 、実用に際してはVINの内部抵抗が変化しないように、前段に出力インピーダンスの低いバッファアンプを追加する必要があります。

エミッタ結合型1

AD797を模した回路です。
出力段のアイドリング電流はIEを調整することで行いますが、R1〜R4との兼ね合いがあり、調整は非常に困難です。
そのため下図の回路に変更しました。

エミッタ結合型2

原則R1=R2+R3、R4=R5+R6ですが、ベース電流の影響があるため、僅かにR1>R2+R3、R4>R5+R6R1>R2に調整することで歪電圧VDが打ち消されます。
VB1=VB2=VB3/2に設定します。.VB3によって出力段のアイドリング電流を調整できます。
VINの内部抵抗がR1、R4に含まれるので 、実用に際してはVINの内部抵抗が変化しないように、前段に出力インピーダンスの低いバッファアンプを追加する必要があります。

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D-NFBアンプ

この機会に下図のD-NFBアンプの回路を再検証してみます。

回路の上半分と下半分はプッシュプル動作であり、信号成分に対しては並列であるため、下図の等価回路に変換しました。

更に上図の回路を理想素子に置換えてシミュレーションした回路が下図です。

出力に加算したノイズが打ち消されるポイントにR3を調整した場合に、アンプの電圧増幅度は、
A=Vo/Vi=1+R4/R2 となることが確認できました。
これはQ3のゲインが0でない限り、Q3のゲインの極性がが反転しても成り立ちます。

R3が上記の計算値とシミュレーションで得られた値とで差があります。
これはシミュレーションが完全な理想素子でないのかも知れません。

計算値

428.5714285714290000Ω
シミュレーション 428.5711674831272499Ω

R1=R2とすればR3=0となりますが、その状態ではQ1のソース電流I3が無限大となるために非現実的です。

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D-NFBアンプをNFBアンプの中に入れる

THD(1W) 100Hz 0.0006%、1kHz 0.0018%、10kHz 0.007%
f特 100kHz -0.9dB、150kHz -1.8dB
ノイズ 0.35mV
出力DCオフセット電圧 -35mV

500ΩVRは10kHzの歪率を最小に調整する。10kHz以下の周波数では500ΩVRによる歪率の変化が少ない。
1kVRで2SK1519/2SJ200のアイドリング電流を0.1Aに調整する。10kHz以下の周波数ではアイドリング電流を0.05Aに減らしても歪率は変わらない。10kHzではアイドリング電流が大きい程、歪率が下がる。

抵抗は5%級1/4W炭素皮膜を使用。15Vは安定化電源。20Vは非安定電源。回路図には描いてないが電源にはパスコンを入れる。

容量負荷で発振する。クリップすると発振する。


D-NFBアンプは入力と出力のエラー分を検出するアンプの歪やノイズがそのまま信号に加わって出力段で増幅されるから、D-NFBアンプの歪を更に減らすためにNFBアンプの中にD-NFBアンプを入れてみたがどうだろう。

オーバーオールのゲインは約20倍、D-NFBアンプのゲインを約10倍にしてあるので、先頭のOPアンプは2倍の増幅をするだけだから、その差動入力電圧は非常に小さい、が存在することは事実だ。
その差動入力電圧を見かけ上なくすことがムゲンダインにはできる。

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ムゲンダインを改めて考える

ZDRやDNFBはアンプの入力信号と出力信号の差をアンプの入力に加算する方式だが、ムゲンダインはアンプの入力に発生する信号を入力信号に加算する方式である。

ムゲンダインはアンプの入力に発生する信号を入力信号に加算する方式であるから、アンプが無帰還ならゲインが無限大になり使い物にならない。

だからムゲンダインを作用させるアンプは負帰還ループの中にある必要がある。

NFBアンプの中身は何段ものアンプで構成されているから、その内の一つにムゲンダインを作用させればよい。

或いはムゲンダインを作用させたアンプの回路ブロックを組み込むだけでよい。

そこで汎用性がありOPアンプのように扱える、ムゲンダインを作用させたアンプの回路を考えてみた。

その名もムゲンダインOPアンプ

下図の回路がそれです。

回路は色々と考えましたが、これは親しみやすいように汎用のトランジスタで構成したものです。
ムゲンダインが作用するアンプはQ11,Q12の部分だけで、それ以外はムゲンダインのための回路です。
Q11,Q12の入力信号はQ7〜Q10の電流であるため、それをQ1,Q2で検出してQ3,Q4でQ7〜Q10の電流に加算します。
J1はバイアスのための定電流回路で、1kΩVRでQ11,Q12のアイドリング電流を調整できます。

Q11のベース電流はQ9,Q8に流れているので、カレントミラーの原理でQ9,Q8と同じ電流がQ2,Q3に流れ、Q5は定電流源であるため、Q3,Q7,Q10はフォールデッドカスコード回路を形成していて、Q3のコレクタ電流は反転してQ12のベース電流に加算されます。
またQ2,Q3とQ1,Q4はクロスシャント接続してあるために互いの電流はシーソーのように対称に変化し、Q4のコレクタ電流も対するフォールデッドカスコード回路で反転してQ11のベース電流に加算されます。

クロスシャント接続のバランスが高い周波数で崩れるためか高域発振があり、とりあえずQ1,Q2のエミッタ間に0.1μFを接続したら安定しました。
Q1,Q2のベース間をツェナーダイオード等の定電圧源でつないでもよいですが、その場合は定電圧源の電圧でQ11,Q12のアイドリング電流が決定されます。

裸では出力が定まらないので、下図のようにNFBをかけた回路でテストします。

試験回路

入力抵抗RSで正帰還量を調整します。
RSが小さいほど正帰還量が増しますから、初めは抵抗値最大にしておきます。
RSは入力信号源VINの内部抵抗も含めた値になります。

発振防止に帰還抵抗RBに小容量のコンデンサCNを並列に必要です。

RSの調整は、負荷抵抗RL(100Ω)を付けた時と外した時の出力電圧に変化がなくなるようにすればよいです。
更には歪率が最小となるように調整します。

上の試験回路でRSは約1kΩで歪率最小となりました。

出力電圧3Vrmsの歪率(THD)

RL=100Ωの場合、100Hz:0.009% 1kHz:0.01% 10kHz:0.017%
RL=∞の場合、100Hz:0.0003% 1kHz:0.00036% 10kHz:0.0012%

その後の実験で、Q9,Q10のベース間を1000μFで接続したら、RL=100Ω、10kHzでも0.01%以下にできました。

この測定は無信号時のアイドリング電流が10mAでしたけど、増やせばRL=100Ωの歪率は改善されます。
RL=∞の場合にオシロで歪波形を見るとノイズだけしか見えません。
固定抵抗が全部カーボン抵抗なので、ローノイズな金属箔抵抗に変えたらどうなるか見たいです。

下の写真は100kHz 10Vp-pの方形波出力です。

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A級差動プッシュプル真空管パワーアンプ

ムゲンダインは電圧増幅回路が無くても出力インピーダンスゼロのパワーアンプが真空管でさえも可能です。
しかしシミュレーションでは調整が微妙で実際にどうなるか分かりません。


 

出力管VT1,VT2は定電流源Ibを各プレート電流に差動配分し、出力トランスOPTを介してA級プッシュプル動作します。
Vb1,Vb2はVT1,VT2のそれぞれのプレート・カソード間に直流電位を与えるための電源です。
VcはVT1のグリッドバイアス電圧で、VT1,VT2の無信号時プレート電流を1:1に調整します。
Raは正帰還量を調整する抵抗です。
RbはRaとの比でゲインを定めるNFBの抵抗です。

真空管を使って実験する前にトランジスタで予備実験しました。

VR50Ωを調整することで出力インピーダンスを0にできます。
負荷8Ωで最大125mW、差動アンプなので出力を上げると3次歪が増加します。
それに周波数特性も悪いです。
緑色で印した部分がこのアンプの要で、メビウスストリップ回路と私が勝手に呼んでいます。


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