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Rコアトランスの配置に関する考察

Rコアトランスの配置に苦慮しています。

上図のように出力トランスRX-40-5と電源トランスRA200を配置して、RA200に60Hz 12.6V×5Aを負荷した時、RX-40-5の1次巻線に発生する電圧波形は下図のようなものです。

正弦波が観測されるのと思っていたのに、尖ったノイズ波形にビックリ、Rコアトランスはリーケージフラックスが超極少と思っていたのに、こんなに出たのにビックリ、でも10cm位離せばほとんど無くなります.から、充分に間隔をとってレイアウトできれば問題ありません。

最悪は下図の配置ですが、一方のトランスを水平方向に回転するとノイズの減少するポイントがあります。

下図の並べ方で一番ノイズが少くなります。重要なことは互いのコアを直角に配置してその中心軸を一致させることです。

 

トランスの向きを変えると波形の大きさが変化するので、静電的な結合ではなく明らかに電磁的な結合によるものです。

電源トランスの2次側を開放しても下図のような波形になりますから、尖ったノイズは1次側の励磁電流によるものと思われます。


(電源トランスの2次側開放、H:2ms, V:0.1V)

そしてその振幅は一定ではなく、大きくなったり小さくなったりしているので正体は電源のノイズ成分と考えられます。ノイズ源が何処か家中のスイッチを切ってみましたが家の中ではなさそうです。

Rコア電源トランスがノイズの周波数帯までの特性をカバーしてないために起きる現象でしょうか、電源トランスも出力トランス並みの分割巻にして広帯域化したら、このようなリーケージフラックスが減少して音のよい電源トランスとの評判が得られるかも知れません。

下図は出力トランスをケースに収めた場合の波形で、ケースによってトランス間に間隔ができたこともあり半分以下の振幅となっていますが、この程度の効果です。


(電源トランスの2次側開放、H:2ms, V:0.1V)

下図はEIコア24VA電源トランスと出力トランスRX-40-5を横並べにした場合の波形です。

(電源トランスの2次側開放、H:2ms, V:0.1V)

確かにRコアに比べEIコアは桁違いにリーケージフラックスが大きいです。

物は試しにと電源トランスをRX-40-5に取替えて、1次巻線にAC100Vを加えてみたところ、まったくノイズは発生しませんでした。

他のRコア電源トランスではどうかと、RA300タイプのものでやったら、やはりノイズ波形がRA200の時よりやや大きめの振幅で出ます。
このノイズはなんか変で、Rコア電源トランスにAC100Vを加えた直後は発生しないか振幅が小さくて数秒間経つ大きくなるので、外来の電源ノイズとは思えない節があります。
ノイズの発生源がRコア電源トランス自体だとしたら、RX-40-5を電源トランスとして使った場合は、まったくノイズが発生しないという事実がある以上、Rコア電源トランスも改良によってノイズの発生を減らすことが可能と思われますから、トランスメーカーさんに頑張って頂くしかありません。

取り敢えず今回の製作では、ノイズに影響されないようにトランスの配置を工夫するという逃げの対策を打ちます。


その後弱ったことに、本当はこれでいいんですけど、全然ノイズが再現されないんです。
しかし原因不明のままでは気持ちが悪いので色々試してみました。

最初Rコアトランスを石油ファンヒーターの傍の床に転がして置いてあったことを思い出して、不均一な温度分布が原因で特性がアンバランスになったかも知れないと考えて、同じことをやってみましたが再現できませんでした。

次に直流分を加えるため下図のようにダイオードを入れ抵抗の電圧降下分だけ直流を発生させてみたところ、抵抗を5Ωにした時、同じ振幅で姿もそっくりの波形が再現できました。やはり原因は電源波形が歪んで直流分が加わっていたことのようです。

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