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レプリカバイアス
2SK79によって2SK183のバイアス・レプリカントを作り、従来の1/μのバイアスによるPSDCと比較してみました。
レプリカバイアスの概要
SITは、3極管がプレート電圧の変化でプレート電流が変化すると同じように、ドレイン電圧の変化でドレイン電流が変化する素子です。
ゲートに与えるバイアス電圧を、ドレイン電圧の変化に合わせて変化させることで、ドレイン電流が変化せず一定に保てる回路を考えました。
下図をご覧あれ。
SIT1のゲートバイアス電圧VBは、演算増幅器AによってSIT1のソース電圧がアース電位となるように制御されます。
SIT1とSIT2の特性が同一であるならば、SIT1とSIT2のゲートとソースとドレインの電極全部の電圧が同じだから、SIT1のドレイン電流ID1とSIT2のドレイン電流ID2が等し
い。
ID1は定電流IREFと同じで、ドレイン電圧VDSを変化させても変化しないから、ID2も変化せずに一定を保つことができる。
SIT1は、SIT2がドレイン電流一定で動作した状態を模擬(レプリカ)して、得られたVBの値(レプリカント)をSIT2に提供するものである。
従来の1/μバイアスによるPSDCの実験回路
VDSに対する2SK183のゲートバイアス電圧の変化分が、2SK183の1/μとなるように、(VR10kΩ+5.1kΩ)/100kΩで設定しています。
VR5kΩは2SK183のゲートバイアス電圧の固定分を5.1kΩの電流で調整するためのものです。
VDSを10〜85Vまで変化した時のドレイン電流IDをグラフの青ラインで示します。
2SK79にる2SK183のバイアス・レプリカントによる実験回路
2SK183と同じSITの仲間の2SK79をレプリカに使い、小さいIREFで動作するようにしました。
2SK79のμが2SK183よりも大きいため、ドレインからゲートに適当な負帰還をかけてμを調整しました。
この回路のVDSを10〜85Vまで変化した時のドレイン電流IDをグラフの赤ラインで示します。
VDS-ID特性をグラフに示す
VDSが70V以下ではVDSに伴ってIDが上昇し70V以上では逆に下降に転じます。70Vとその時のIDは調整次第で決めることができます。
ラインの頂点部分にはVDSが変化してもIDが変化しない範囲があり、青よりも赤のラインの方がその範囲が広いことは明らかです。
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