第242回関東三土会(2023年10月21日)

総括


出品作品

6HJ5UL+KNF PP アンプ 高間 さん
 本格的な力作アンプ。まだ発熱対策など未完成とのことですが、音質的にも余裕のあるしっかりとしたアンプだ思います。
 回路的には半導体も積極的に取り入れメンテナンス性の良いオートバイアス回路を採用するなど随所に安定動作が考えられています。
出品者のコメント:
20cm スピーカー 土屋 さん
 先月のミッドレンジエンクロージャを改良し、コーナを綺麗に丸め本格的な3Wayとして発表されていました。このためかウーファとのつながりも良くなり完成度が上がった様に思います。低音の余裕も素晴らしいです。
出品者のコメント:
普通は既存のシステムにサブウーファーを付けたしで使う事が多いと思いますが、これは最初からサブウーファーを含む全体最適を目指したマルチアンプシステムです。

低域は20cm自作カーボン2層コーンで、42Lの箱を軽量化する為にボイド管を使っています、低い箱強度が原因で400hzに強い共振出ますが、Xoverを120hzに設定する事で共振、共鳴、回折、の問題を回避しています。

中域は自作10cmアルミ2層コーンで120hz〜3khzを受け持つので回折、共鳴、箱振動の問題が凝縮されます。回折は箱をラウンド形状に、共鳴は細めの吸音材を目一杯詰めた密閉箱で対応してますが、箱振動と低域再生能力に少し不足があります。

高域は大変優秀なチタン振動板のメーカー品で大きな問題はありません。マジックファスナーを中域箱との振動遮断材として使ってます、効果の程はわかりませんが。

SB Acoustics SB12NRX25-4 SB26STCN-C000-4 TW 2Way 浅川 さん
 ツィータ側のエンクロージャを急遽作成、流石に重低音は苦しいですが2Wayとしても上手くまとまっていました。
 硬い材質にもかかわらすエンクロージャの仕上げが綺麗です。厚みのある板材を使用しているので全体の強度もあり余計な音がしないので再生音がすっきりとしています。
出品者のコメント:
OM-MF4micaの自作スピーカー 「Pull-Push box」の構造を生かしてこれより大きいスピーカユニットで製作し2WAY化した作品です。当初はフルレンジも考えましたが新しくスピーカユニットを買うには相応のコストがかかるため手持ちの12pミッドバスウーファーで間に合わせました。エンクロージャーは初めて扱うラバーウッド集成材で組み立ててみました。
9ℓ程のエンクロージャーにバスレフチューニングは47㎐になるよう設計して概ねそのとおりの周波数特性が得られました。
今回の作品は欲を言えば低域にもう少し力があればよかったと思っています。悪いとまでは言いませんが此れが現実でした。
ツイーターについては新しく買っています。無難なソフトドーム型を選びました。ネットワークは手持ちのコイルとキャパシターを組み合わせて逆相接続として使用しました。表面仕上げはまだ決まらなかったので地のままで出すことにしました。
デジタルRIAAイコライザー 肥後 さん
 デジタルフィルタを用いたRIAAイコライザ補正の2つのアプローチを比較して聞かせて頂きましたが聴感では判別は難しそう。
 同様にFIRフィルタとIIRフィルタも差が分かりませんでした。
出品者のコメント:
 SSDAC基板のAmaneroの代わりに、Phono入力とPCM1808のA/Dコンバータを付けた小基板を載せたデジタルフォノイコライザです。
 フォーマットは96kHz24bitです。今回はBiQuadの係数b2の有り無しで聴き比べをしましたが違いはありませんでした。
 また方形波入力に対するシミュレーションで、FIRと思われるAudacityのEQと、本機と同じ係数のIIRをかけた場合とで、出力波形に大きな差が出ましたが、そのFIRと思われるとした処理の出力波形に疑義があるとの意見がありましたので、今後再検証します。
 今回手作りで紹介したA/Dコンバータ小基板はこれから基板を起こしてS/Nの向上を目指します。
ジャズライブ録音 石田 さん
 ジャズライブの生録を再生。ピアノ、ベース、ドラムスのトリオを2本のコンデサマイクでPC録音しています。
 やはり生録は鮮度が一番ですね。
出品者のコメント:
 ピアノの調律が狂っているのが残念でしたが、録音自体は久しぶりの割にはまあまあ上手くいき、ホットしています。
定番オペアンプ聴き比べ 関澤 さん
 OPA726の入手先による音質の違いを比較試聴してみました。

 案外音に差が有り、どれが好みか分かれる所ですが、結構違います。特殊なOPアンプといえ入手に制限が入るのは困ったものです。
出品者のコメント:
 精度の高い軍事転用可能な半導体は、昨年の11月から購入する上での制限が厳しいです。
 特にキャンタイプ(TO-99)の高精度のオペアンプの入手性が悪くなってます。
 モールド型に比べて、キャンタイプは、音の開放感と静寂性が高いと思いました。
 同一型番で入手ルートにより音が異なるのは、中身の信憑性と関連が有りそうです。
FreeDSP OCTAVIA 基板・パネル 福島 さん
 町田で開発、共同制作しているFreeDSP基板を紹介して頂きました。なかなか多機能で面白そうです。秋葉原でも希望者が揃えばできそうです。
出品者のコメント:
FreeDSP.ccとDIY-Audioフォーラムのコミュニティで開発を行っているAnalog Devices製のADAU1452というDSPを搭載したボードの第2版です。
入力はアナログ差動RCA、XLR、光デジタル、同軸デジタル、USB、Raspberry-pi、I2Sに対応します。
出力は光デジタルとアナログRCAが8chあるので4wayマルチアンプ駆動ができるチャンネルデバイダーにもなります。 アナログ入力用にPCM1808を搭載していますが、外部からのI2S入力にも対応していますので、フラットアンプと高品質のADCを搭載した基板を追加してMC対応のデジタルRIAAプリアンプとしての拡張を計画しています。
設計に関する情報は以下のGitHubとwebページで公開しています。中国JLPCBへのPCBA発注用パッケージをアップしていますので簡単に注文できますし後付け部品の実装も3時間ほどで完成します。ぜひ 1行もコードを書く必要のないDSP開発を体験してみてください。
https://github.com/freeDSP/freeDSP-OCTAVIA/wiki
https://cyberpithilo.web.fc2.com/audio/FreeDSP_OCTAVIA/octavia_main.html

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