今回は、スピーカー工作、課題の半導体シングルアンプ、大型JBLシステムの音出しによるアンプの比較試聴、半導体無帰還アンプの製作例紹介、など
などで、朝方5時頃まで
音出ししていた強者も出現していました。 夕食は、持参の弁当、会で準備した豚汁、牛皿を皆でテーブルを囲んで食べました。朝食は恒例のカレーでした。朝
食後、片づけを終えて記念写真を撮り解散しました。
左は会長が新しく手に入れたJBLの大型システム。ウーハーの箱は、昔、有名な女優のPAに使った曰く付きのものだとか。ウーハーユニットはJBL
ではないですが、バランスのとれた音に仕上がっていました。
右は課題アンプを鳴らすのに使ったFE-208S+JA0506IIバックロードホーンスピーカーです。写真では真ん中に寄っていますが、実際に鳴らした
ときは、
左右に3mほど離して使いました。
両者とも高能率で小出力のアンプでもしっかり音が出ていました。
左は主音源として使用したフィリップスLHH300R。古い機種ですがNO-NFBバッファに特徴があるとのことです。
右は、上野さん作のボリューム付きセレクタと上野式CDドライブコントローラ+R-2RディスクリートDAC CDプレーヤです。
大沢さん 反発磁気回路オブリコーンSP
中高音が繊細に出ている。バッフルがあれば更に実用の範囲。エッジが無いので、小出力で音の分離の良さを味わうユニット。
上 五角形発泡スチロールSP 高音がとても軽快。裏返しが意外とGOOD。聞き疲れしない軽い音。
下 丸形発泡スチロールオブリコーンSP 前出の二作よりもフラット感があり聞きやすい。発泡スチロールコーン特有の軽快感が心地よい。バッフル版が有
れば十分実用の範囲ではなかろうか。
ユニットは韓国製100円/個の廉価品を片ch16個使用。伊右衛門ペットボトルも片ch16本。ボトルの接着し易さと底面が円形である点で、伊右衛門ペットボトルが最適だとか。
ややこもった音がするが、会場が広い所為かまったく気にならない。和太鼓などの
打楽器がよく出ており、今回のような広い会場で威力を発揮するシステム。
長谷弘工業AMA-131SSK + DIY AUDIO SA/F80AMG
MDF板に音道を切り積層、塗装しアクリル版ではさんだ物。中が見えて見た目が面白い。
6〜10畳ぐらいの部屋では小ささとは裏腹に至極まともに鳴ります。 今回の会場は広すぎたためかちょっと物足りない感じでした。
今回の大会のメインテーマは、終段が半導体シングルのアンプでした。皆さんの力作が11種類集まり、他では絶対聞くことのできない音に会場が大いに 盛り上がりました。
厳正な審査の結果、音質では増田さんのアンプ、デザインは三村さんのアンプ、技術性・困難性 及び 奇抜性では村嶋さんのアンプが一位になりまし た。総合点では他を圧倒する物量の投入と、ウォームアップに1時間もかかる不安定性などが評価(?)されて、村嶋さんの優勝でした。
乾電池1個の電圧を電源とした2SD773チョーク負荷エミッタ接地アンプ。ボーカルだけだと100畳の会場でもかなりの音量で聞くことができまし た。
2SC1815を128個パラにしたエミッタ接地アンプ。トランジスタ、抵抗の数と、細かいハンダ付けに圧倒されます。
真空管を高耐圧のトランジスタに置き換えたアンプ。真空管のソケットに差し込んで鳴らします。安定した素直な音で、音質の評価が一位でした。
なんとB級シングルアンプです。B級シングル(半波出力)の音を聞いてみたいという課題提案者の意図を酌んで作ったものらしいです(時間切れで調整
しきれなかっ
たという噂もありましたが)。
大音量時には歪み感たっぷりで昔のラジオのような音ですが、小音量時には意外とまともな音でした。
2SD864トランスドライブ
SEPPとSEPPの片側を定電流的に動作させるシングルアンプの切替が可能なアンプ。オーソドックスなまとまりのある音でした。
2SC5200タマリントンアンプ
定番のタマリントンアンプです。さすがにこなれた音でした。
LM386でドライブした出力100mW級のシングルアンプ
出力に余裕がないため、音量は上げられませんでしたが、小音量時には素直な音でした。
2SD235シングルトランス出力アンプ。出力トランスが小さいせいか、低音の量感が不足気味でした。
PassLabブランド、Zen Amp等で有名なNelson Pass設計「Son of Zen
Amp」。回路はMosFET使用の1段差動で、FS22SM、2SK1823(切り替えて使用可)。電源は12VACアダプタ2個を正負電源で使用し、
出力約1W。 オリジナルはPPになるため、片側の出力とアース間にスピーカーを接続して鳴らしました。
本来の性能は出ていないのですが、それでも聞きやすい音に仕上がっていました。通常動作にすると、音がクリアーになりました。
ケースが丁寧に作られていて、デザインの評価が1位でした。
MG200N1US41シングルアンプ
工業用のトランジスタを真空管アンプでドライブしたもの。 真空管の初段から終段のTrまでDC的に直結で、構成は6SN7(μフォ
ロワ)-VR150GT(6CB5AのG1用、G2は直結)-6CB5A(チョーク負荷のカソ
ードフォロワ)−MG200N1US41。NFB無しなので、電源を入れてから1時間くらいウォームアップしないと安定しないとの
こと。
見事に技術性・困難性 及び 奇抜性の評価で一位を獲得したばかりで なく、総合一位に輝きました。
KTB778/KTD998PP と KTD998シングルの切替が可能なアンプ。カーステレオアンプを改造したもの。
まとまりがあり、力のある音でした。
2SJ554/2SK2955 無帰還 25W
半導体無帰還らしくクリアで、柔らかい音でした。
6C33C-B OTLアンプ
OTLアンプらしい力強い音でした。
トランスが小さいので若干非力ではあるが、まとまりのある音でした。
2SJ380/2SK3162 50W無帰還アンプ
半導体無帰還アンプらしい透明で奥行き感のある音でした。
300Bシングル
破綻のないまとまりのある音でした。
水平出力管の12GB7を使ったDCC型(カソードフォロワ直結型という征矢氏のアンプ回路)のアンプ
かなり
コンパクトに組んであり、シャーシの色は関西でおなじみの阪急電車の色(マル
ーン)だそうです。音楽の雰囲気がよく伝わる音でした。
2N3055 JLH Class-A Amp
半導体A級アンプのクリアな音でした。
新作のトランスを使ったアンプ
ちょっと高域が強調された感じであるが、クリアな音でした。
ジャンクで手に入れた重量級トランスを使った46シングルアンプ。
力強い音で、JBLシステムとの相性が非常に良好という感じでした。
6L6GC/6CA7/6GB8 3結コンパチPP
ちょっと固めでまとまりのある音でした。
6BQ5/6AQ5 3結コンパチPP
こちらもちょっと固めでまとまりのある音でした。
6AC5PPアンプ
グリッドをプラス電位で使用する珍しい出力管を使ったアンプ。負荷抵抗は20KΩと非常に大きい。NFBを掛けていないため出力インピーダンスが高く接続
するスピーカーによって音質が変わるのが特徴。少し固めのクリアな音でした。
デジタルアンプに1:1出力トランスを入れたもの
出力トランス有りのほうが、やわらかく聞きやすい音でした。
ALTECの260A型アンプ
5極管の送信管813のPP。ドライブには6AU6が使われていて、トランス位相反転全段PP。813は固定バイアス型で
グリッドリークにはチョークコイルを入れてあり、B電圧は1,800V、G1が-100V、G2が790V、G3が0Vとのこと。
出力が260Wと巨大で、主に工業用として使われているらしい。(813のB電源の整流には3B28、そして813のG2の電圧とドライブ段の
B電圧用に5R4GY整流管を使用)
中低域が膨らみ気味の力強い音。超大型真空管と、超大型出力トランスの組合わせは、他では聞くことのできない音でした。
製作例を紹介しながら、半導体無帰還アンプの勘所を説明。プリント基板を公開する予定とのことです。
トランジスタードライブのPPアンプで、電源は単3電池2本を使用しB電圧は小型のDC-DCコンバータで昇圧して12Vで動作。OPTはトランジ
スター用のST-32相当品。(このアンプは関西地区NHK番組で放映されたとのこと)
これでも、小音量ながらJBL大型システムを鳴らすことができました。
普段はPAとして、マイクを使わないときは2バンドラジオとして使えるスグレモノ? 両方の同時使用も可能。
ラジオは集積回路、マイク用ラインアンプは石をそれぞれ使い、メインアンプ部は12AX7+807シングルのハイブリッドタイプ。
マイク起因と思われるノイズが気になった。今後の改良課題の一つか。