妙法寺大会 APRIL 28, 2001


課題部門参加スピーカー群

手作りアンプの会の恒例、妙法寺での大会(関東大会)が4月28日〜29日に開催されました。これはまぁ、平たくいえば、よろずオーディオ自作品の品評会といったところのもので、その名のとおり小出力のMT管を用いたアンプによる「小型MT管部門」、大会ごとにテーマが指定される「課題部門」、自作品を何でも出品できる「外道部門」の3部門のコンテスト形式の発表会です。今回は課題部門のテーマとして初めてスピーカーが指定されました。

午後4時ごろからぼつぼつと人が集まり、翌朝10時ごろまでの長丁場、皆楽しんだ様です。ピーク時で20人ほどの参加者を数えたでしょうか。

では、さっそく大会の様子をご報告いたしましょう。



<小型MT管部門>


途中で田村さんを拾って妙法寺につくと、半地下のホールに既に数名、到着し、ついでに課題部門むけのスピーカーらしい物体もいくつか到着しています。
会場を設営し、スピーカーらしい物をアンプに接続して「これ鳴るの?」「へぇ、鳴るねぇ」などとテストラン。スピーカーであることを各自再確認しました。
そうこうしてるうちに皆集まって、6時半ごろからおもむろに「小型MT管部門」に突入していったのでした。


今回は3台の参加台数で、ちょっと寂しかったです。小型MT管部門はビギナーの登竜門、ないし単にMT管が好きな人のためのカテゴリーですが、今回はビギナーの出品はありませんでした。
出品者のジャンケンの結果、以下の順で発表。回路等の説明の後、課題曲(今回は村治香織のギター)と各自の好きな自由曲各2分を再生します。

●12HG7 強NF(田村さん)
●16A8トラレス超三Version 2(増田さん)
●6DS5超三Version 1(江口さん)

どれもシングル動作ですが、ALTEC-604Gを力強く動作させます。

採点は、参加者による5段階の評価により実施します。集計の結果、精鋭(?)3名による死闘を制して平均点4.1を獲得した増田さんが優勝しました。増田さんおめでとうございます。

小型MT管部門優勝 増田さんの16A8超三V2


<課題部門>

課題部門に先立って、テーマスピーカーを用いない「外道スピーカー部門」が臨時に開催されました。小林会長がもらったという、植物の実に実装したFE107バスレフ、田中さんの2万円タンノイ改、宇多さんのカーステのスピーカー(段ボールエンンクロージャ使用)の3台。どれも広いホールで良く鳴ってました。小型スピーカーもなかなかのもの、この時点で、課題部門にむけて一条の光明を見い出した人もいたことでしょう。

外道スピーカー大会で耳を暖気運転し、いい案配になったとろでいよいよ課題部門です。いろいろなスピーカーが発表され、まさに乱戦の様相となりました。以下がエントリーリストです。(名称は仮称)

●段ボール製平面バッフル(上野さん FOSTER)
●フェルトバッフル ××ナ[映倫削除]風(多賀さん FOSTER Vertical-twin)
●ガラス水槽キャビネットバスレフ(増田さん DAITO)
●後面解放トールボーイ風(田村さん NATIONAL Vertical-twin)
●密閉 同相ドライブ(松本さん NATIONAL Vertical-twin & 内部同相ドライブ)
●荒木式 椅子つき(荒木さん FOSTER)
●Yoshii-9雪だるま風(江口さん NATIONAL)
●段ボール箱 密閉と後面解放の中間(宇多さん FOSTER)
●段ボールホーン タイムドメイン風(小林さん NATIONAL)
●同ユニットによる2way密閉(冨士山さん FOSTER 2-way)

音ですが、私、CDプレーヤーを操作するため左右のスピーカーの間にいたので、どれもわけわかりませんでした。後面解放ですと低音がぶわーんと来て直撃をくらうし、なかなか大変でした(苦笑)。アンプ大会ですと、CD操作者は「最前列」で聴ける席なのですがね・・・。まぁ外形がどれも面白かったので、とりあえず、よく見せてもらいました。
使用したアンプですが、荒木さんがMark Levinsonを持ってきてくれました。欲しいなぁ。(笑)

さて集計結果に参りましょう。課題部門は妙法寺史に残る名(迷?謎?)勝負となりました。

優勝 荒木さん 平均得点4.4
2位 江口さん 平均得点4.3
3位 多賀さん 平均得点4.2
次点 小林会長 平均得点4.1
技術賞 松本さん (事務局特別授賞)

乱戦を制し、荒木さんが堂々の優勝、前回(T-600)につづき課題部門V2を達成しました。おめでとうございます。
荒木さんのスピーカーはきちんと手の入った、考えて練り上げられた仕上がりで、オリジナリティーの固まりのようなすばらしい物でした。

課題部門V2 荒木さんのスピーカー

上部のディフューザーで音を反射・拡散します。

結果としては、間接音を利用した物がワン・ツーを決めました。また、どのスピーカーでもなかなか低域の量と質が両立せず、どちらを犠牲にするかで製作や採点の考え方がわかれたようです。

しかし、今回の課題は1000円未満のスピーカーユニットということで、これはどうにもなんないだろう、ロクな音はどうせ出ないだろうと皆が思ったのですが、フタを開けてみるとどれも妙法寺の広いホールで立派に鳴るスピーカーばかりでした。出品したみなさん製作御苦労さまでした。




<食事など そして外道部門>


小型MT管部門と課題部門が終わると、まぁキチンとしたのは終わりという感じになります。あとはなりゆきで朝までGo!

とりあえず腹も減ったしということで、フュージョン系のBGMなど聴きながら食事になだれ込みます。時間は9時ぐらいになってたでしょうかね。酒も入っていい調子になってきます(当初から酒が入っている人は徐々に壊れていきます:苦笑)。
食事の後には、毎回好評のオークションが開催され、いい物が次々に格安で落札されていきました。私も5球スーパーの部品セットと、オシロのプローブ1本を手に入れました。それからホーンツイーターが出ていたけど、もうちょい強気で入札しても良かったなぁ。ドイツ人ThomasさんはMJのバックナンバーを入手してました。


そんなこんなで各自全開バリバリになったところでなんでもありの外道大会です。エントリーは発表順に;

●CV18プッシュプル(増田さん)
●EL34 超三Version 3(上野さん)
●EL34 プッシュプル(Thomasさん)
●トランジスタ電流帰還(小川さん)
●CV18 超三V1ドライブGG(宇多さん)
●6G-A4 SRPP帰還シングル(荒木さん)
●45無帰還シングル(小川さん)
●6BM8 超三Version 1 モノラル(小林さん)

今回の外道大会は、スピーカーとして自作品(課題部門参加作品)を用いてもいいことにしました。自作品を使わない人はいつものALTEC-604Gです。

さて、結果です。外道大会になると皆、採点がいいかげんになってくるのか、やたらと採点表に空欄が増えてきますね(苦笑)。まあ集計がラクなのでありがたいといえばありがたいのですが。
ちなみに45シングルを採点した人は2名、6BM8超三モノラルではいよいよ全員壊れてしまったのか0名でした。

優勝 ThomasさんEL34 & 小川さん電流帰還 平均得点4.6
3位 荒木さん6G-A4 平均得点4.5
(次点 増田さんCV18 平均得点4.4)

外道部門優勝 ThomasさんのEL34pp

外道部門優勝 小川さんのトランジスタアンプ

Thomasさんと小川さんが同点で優勝でした。おめでとうございます。妙法寺の大会で外人さんが勝ったのは初めてと思います。そもそも外人さんが参加したのも初めてですね。Thomasさんはドイツの人で、東京で働いていらっしゃいます。


外道大会の後、大沢さん・武宮さんの定電流アンプのデモがありました。僕は眠くなったので寝てしまったのですが、なかなか盛り上がっていたようです。課題部門のスピーカーは後面解放系が多く、定電流アンプが良く鳴っていたようです。また、田中さんによる各種改造CDプレーヤーの聴きくらべも行われていました。


だいたいこんなような感じで、スピーカー大会も無事終了しました。なかなか面白かったので、またスピーカー大会はやりたいですね。小林会長、今回もお世話になりました。ありがとうございました。朝飯のカレーはいつもどおり美味しかったです。



うーむ。


トラ猫 2001/4/29