・三上さんこんばんは。南條です。トランス是非巻いて下さいね。最初に巻くのであれば、カットコアが簡単です。通常カットコアであれば方向性鋼板を使っているでしょうから、磁束密度は最大17000ガウス程度まで使うことが出来ます。但し、それでは温度上昇が大きいので、12000当りを上限にすれば問題ないでしょう。もし方向性鋼板を使わないのであれば8000〜9000ガウス程度であれば良いですよ。それと、鋼板についてのデータシートですが、上記の磁束密度を使う程度でしたら全く要りません。磁束密度が飽和寸前まで使い、kg当りの損失を高くし、温度上昇を計算して巻くようであれば、データシートも必要ですが、そんな危ないことは素人はしないほうが懸命です。但しEIコアは安く手にすることが出来ますので、大型でかつ自分の狙った性能を出す場合はEIでも充分な場合があります。安くて良い物を作るのであればそんな事も頭の隅に入れておくと便利です。次に直流リアクトルなどの鉄心のギャップについては、本に書かれている内容で充分ですがそんなことをしなくとも、適当に自分でギャップを設け、データをとっても問題ありません。偏磁対策として入れる事もありますし、ギャップで調節する場合もありますので、この辺りは簡単ではなく実は企業の秘密なのです。よってこの前の内容も実は他言しないようにして下さいね。まあ磁路長に対して0.5〜3パーセントのギャップがあれば充分です。逆にギャップを入れる場合、飽和が早く来ますので、この辺りは計算ですが、簡単ではありませんので、企業秘密です。言えません。銅線の電流密度は三上さんの考えで粗問題ありません。直流抵抗分によって流れる電流が決まれば単純に銅の損失が決まります。ちなみに3Aを超えると冷却方法が必要なのですが、線材が細くなれば更に低くなります。先日お伝えしたように1.6A〜1.7A程度が限度と考えてください。線が細くなれば、更に低くなるのは言うまでもありませんよ(損失が増えるため)。交流に対しての漏れインダクタンスについての計算は企業秘密ですので、一切お教えできません。しかし、あまり気にせずとも出来ます。これは一般に言われている事で考え方は間違っていません。計算方法は色々ですが。ただし、これは・・・。まあいいか。いちいち言わなくとも。一般に数値としての性能よりも、安心して使用できる性能が最初にあるべきで、そういう事からは、絶縁耐力をどの程度持たせているかが最初にありきです。同様に熱計算、更に絶縁の種類によって大きく左右されます。それらは基礎設計においてそのような対策が数値の中になされているかが問題なのです。このような余裕のある計算をすること。余裕のある巻き線をすること。鉄心までの直線距離と沿面距離を確保する。1次と2次の絶縁を考えること。そして磁束と損失計算、絶縁材の選定です。最初から無理な計算をしているものは、どんなに性能が良くても安心して使うことが出来ません。それらによって基本的な安全が違うのです。まあ、安心して巻いてください。捨てるような絶縁材であれば、ゴミ箱から持って来ては送ります。まあ通常はマイラー(ポリエチレン)等で充分だと思います。(売っているもの)テープはノーメックステープがお勧めですが、一般的には手に入らないかもしれません。スコッチではテープの温度耐性について書かれていますので、高価でも温度に対して高い状態でも使える物を購入してください。私が分かることであれば、企業秘密以外の事であれば一般的なことはお教えできると思います。では応援します。私も巻こうかな。
南條さん,ご教示ありがとうございます.手持ちのカットコアのトランスをいくつか分解して調べてみました.さすがに上手く作ってあります.素人では思いもつかないようなことをやっていますね.作る前にバラしてみると非常に参考になります.カットコアに二つのボビンを使い,それぞれに100V を巻いて複巻きにして,大電流が必要な場合は1/4の電流容量の線を2パラで二つのボビンに巻いてこれを内部でパラって作るとかすると線径が細くてもよくなりますので,巻きやすくなりますね.外道分科会の2.25V 40Aのフィラメントトランスは,100V複巻きをシリーズにして一次の電圧を半分にして,二次は,中をバラして4巻線を繋ぎ変えて使用できました.ありがとうございます.