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ラジオ分科会掲示板


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周波数変換のからくり masuda 2011/07/22,11:27 No.859
宇多さん、こんにちは。今週は、輪番休業でお休みです。ところで、
6BE6を始めとして、スーパヘテロラジオをはじめとして多々製作記事はあるものの、意外と周波数変換原理について記述する文献がないのが不思議です。
教科書的には、2次特性の歪→2次の公式→2信号の積→三角関数の和積の公式→で、和と差の周波数成分 が出ると解説されるのですが、どうもピンとこないですね。それならば、2次の歪のゲイン係数は、いくつなのかと、突っ込みたくなります。
実際の回路では、2信号加算→半波整流→フィルタリング で2信号ビートが生成されるのがホントでしょう。(これは、突き詰めれば2次歪と同等なのかも)
ところで、この半波整流増幅は、グリッド検波とプレート検波の2種類のうち、どちらを行っているのでしょうか。
実際、オシロで観測してみれば良いのでが、なかなかおっくうで。ごぞんじでしたらお教えください。
>> そうですか。 masuda 2011/07/22,12:50 No.862
この辺の実動作は難しそうですね。
・リミット点=>Vgk=0Vの動作点で、これ以上グリッド電圧がUPするとIgが流れ出す点。(GK間でダイオード動作が発生する)
・カットオフ点=>深いVgk電圧で、これ以下だとIpが流れなくなる点。
と表現すると、リミット点を利用したのが、グリッド検波で、カットオフを利用したのがプレート検波となります。ストレートラジオは、これら作用を利用しています。でも、圧倒的にグリッド検波の方が多いような感じですね。
世の中、製作記事本は多くありますが、このような一歩踏み込んだ解説はないですね。誰か解説してくれる人はいないものか?????
グリッド検波の場合でも、グリッド結合Cが、自動的にグリッドマイナス電圧をIg電流に伴い生成してくれるので、回路図の見た目は、ただのC結合に見えてしまいます。自分的には、ほとんどのミキサ回路は、グリッド検波だと思うのですが。どうでしょうか。
>> 実は両方ではないかと 宇多@茨城 2011/07/22,13:49 No.863
(1) 本来は:
 独立した発振回路とバッファ、それに混合回路とを分けて、混合回路の動作分析を行うのでしょうね。 発振を取り込んでいるために生じた制約は大きいとはおもわれますが、分けるとなれば別の課題設定となるます。
 混合は検波機能として捉えられていた歴史的背景があり、一信号の検波も複数信号の検波もゴッチャだったものが、いつのまにか目的別の名称となったのでしょう。
 そして専用管によらない周波数変換回路の総論やら一般論が勉強不足でみつからず困っていますが、ハンダゴテを先に出動させるのも特権です。

(2) 2次歪のゲイン係数:
 歪みの発生具合による訳で、俗にハイ gm は歪みもデカイ・・・所謂 変換 conductance/ gc にその一部が現れると理解します。 相互 conductance/ gm の高い mixer 管は gc も高く、一般に gm の 1/4 と云われていますね。

(3) 検波・混合:
 ショットキーとて、ミクロにはカチッと水平線からイキナリ勾配のある直線に曲がる訳ではないでしょうから、その意味では相対的には真空管と等価な部分があるかも。 そしてジワジワしたリモートカットオフでも実際上はチャント動作しており、カットオフに近い不完全な整流状態を利用・・・と玉虫色の解釈になります。
 グリッド検波はダイオード動作であると割り切るとして、プレート検波では動作点を限りなくカットオフに寄せているから、境界が非常にアイマイであり整流していないとは言い切れないでしょう。 そして、整流を始めても曲がっている部分も有効でしょう。 そして相対的に同調回路のQに及ぼす影響が異なるのはグリッド電流の絶対値差だけかも。

(4) グリッド検波とプレート検波のどっちなの?
 JA1AD 斉藤 健氏は両方の準備を (グリッド・リーク/自己バイアス) せよと述べておられます。 これには勿論検波対応だけでなく発振回路の動作制御が加算されています。 
 そして、同一の回路でもグリッド検波的動作とプレート検波的動作とはカットオフ特性とか gm とか出来具合などにより一義的に決めかねて、実用的にはどちらかに寄せることは困難であろうと理解しました。
 また拙ページの記述では挿し換え互換性、追試験再現性の点からも同様に実験を経たどんな管種でもカソート挿入の抵抗の調整一つで対応できることを確認して記載しました。 個別管種ごとに最適値をやったら話が進まないです。
>> ほとんどのミキサ回路は、グリッド検波 宇多@茨城 2011/07/22,14:42 No.864
 古雑誌やら古回路図集などをチラッと見てみましたが・・・
 HF 通信用でシャープカットオフ五極管 (6AH6/6CB6/6EJ7 等) を G1 injection (殆どがこれ) mixer に使った例では、バイアス設定 R を単なる増幅の場合よりかなり深い kΩオーダーに寄せて G2 電圧も落としていますが、プレート検波でしょうかね。 FM チューナの 12AT7 mixer 複数例も G injection で Rk=2.2kΩ等となべて高いです。 大振幅対応策、S/N 確保、注入局発の安定度等を考慮するとそうなるのかもしれませんが、実装経験不足でなんとも判りません。
>> プレート検波でOK masuda 2011/07/23,14:07 No.868
宇多さん、ご回答ありがとうございます。どうやらプレート検波が正解のようですね。
昔の参考本を引っ張り出して来て見たら、他励振の場合、バイアスを深目にとって、Vgk-gm特性のグラフから、出力は半波整流らしき歪を受ける様子が出てました。バイアスを深めとるところから、カットオフより深いところ、マイナス成分はカット、プラス成分のみ取り出し半波整流を行うようです。
・・・ということは、周波数変換回路は、、バイアス調整(カソード抵抗値)と局発レベル調整の二つを最良の特性なるよう調整が必要ということでしょうか。
・・・ところが、1球で行う6BE6は、この辺の定数がほぼ決まっているので、逆に動作が分かりずらいですね。(たとでば、6BE6の場合、カソード抵抗は不要でOKとか)。
昔の技術とはいえ、なかなか奥が深いようです。
>> けれど、グリッド検波もあり? masuda 2011/07/23,18:06 No.869
宇多さん。けれど、混合部はプレート検波と先にいってしまったのですが、グリッド検波も有りかもしれません。というのは、ヤエスFR-50Bの1stミキサ(12AT7)、2ndMIX(6CB6)の第一グリッド電圧が、取説から-0.1〜-0.4Vとなってます。これって、グリッド検波されて、結合Cによって生成されれた電圧ですよね。ということは、グリッド検波による混合方式も有ということでしょうか。
今まで、ストレートラジオの0-V-1のような、原始的方式とスーパヘテロダイン方式という実用機とは、実は別物ではなく、グリッド検波、プレート検波でつながっているという新しい発見が、今更ながら気づきました。
>> やっぱり両方かな 宇多@茨城 2011/07/23,20:54 No.870
増田さん、こんばんわ。 
 ヤエス FR-50B の12AT7/6CB6 の各カソードに C/R が入っているなら、グリッド検波ではないですね。 ところで検波方式を G/P のどっちにするかをどうやって決めるのでしょうね。 自作ラジオなら微弱信号相手は G、出力振幅本位は Pなど、構成やら運用目的できめますが。 業務機では S/N とか近接信号特性などでしょうか。 
 6BE6 のコンバータ動作は、カソードタップに現れる RF 分が G3 バイアスに加わるといわれ自己バイアス相当ですが、チョット見ではグリッド検波みたいですね。 ミキサー用法では自己バイアスRを挿入、明らかにプレート検波です。

 はなしが変りますが、実は 0V1 の再生検波の負荷を IFT にして、再生発振させれば受信波は離調しながらも、昔の IF は低かったことだし、とりあえずコンバータとして動き、「ヘテロダイン」が成立したわけです。
 それでは感度がわるいので、別途に用意した受信波同調回路から信号を発振グリッドに強引に注入します。 これらがプリミティブな「オートダイン・コンバータ」で・・・なんのことはない再生検波の発展形ですね。
 これが FM チューナでは RF amp のバッファ付きでカムバックしました。
 一般にはアンテナから局部発振が発射されては不都合なので、多極管にてプレート同調型発振回路を構成し、受信波同調の入力電極とは極力隔離したコンバータ回路も開発されました。 
>> くわしい説明が 宇多@茨城 2011/07/24,07:51 No.871
おはようございます。
一木典吉氏著「全日本真空管マニュアル」ラジオ技術全書002A ラジオ技術社
1977/3/25 18版1刷 pp132~146 第3.2 章 周波数変換管 に詳細の解説が記載されています。 ご参考までに。
>> 残念です。 masuda 2011/07/24,20:23 No.872
一木典吉氏著「全日本真空管マニュアル」は、復刻のオーディオ関連抽出版は持っているのですが、オリジナル版は、記憶はあるのですが、(あの、分厚くて、古くなると、中割れするような)もってませんでした。オーディオ抽出版には、関連の無線関係の章は削除されてます。
HP(内尾さん)のところの文献を見ましたが、やはり、分かりやすくはないですね。私の理想としては、球のシミュレーションで現象が把握できることなのですが、なかなか難しいです。
>> グリッド検波とプレート検波 masuda 2011/08/01,00:52 No.875
宇多さん:
ラジオの6BE6は置いといて、手持ちyaesu FR-50Bの1st-Mixer(12AT7)ですが、グリッド検波的な手法を使って、プレート検波して、混合検波を行っているようです。グリッド検波というと、誤解を招きそうですが、グリッド検波に使うグリッド結合コンデンサとグリッドリーク抵抗との時定数で、GK間の入力信号を、0V以下にそろえ(C classアンプの入力回路と同じ手法)、結果、大振幅ローカルのため、信号下半分は、カットオフ領域に入り、結局、プレート検波動作になります。前提として、入力信号の下半分を、カットオフ領域に入れ込むことができるぐらいの大振幅ローカル電圧が必要です。
・・・・・こんな感じっですが、図とグラフで示さないと分からないかも。
>> 大振幅ローカル電圧が必要 宇多@茨城 2011/08/01,09:31 No.876
おはようございます。
実は FR50B は暫く使った後に予備 RX となっていました・・・35年前ですね。 
Tr 局発にエミッタフォロワ・バッファを付けてカソード注入法でしたね。 しかも結構大きいカソード・パイパスC (1000pF!) に局発出力の一部を食わせて・・・安定した注入電圧を意図したものと理解しました。
High Gm pentode 6AH6 -6CB6 -6EJ7 の G1 注入がベストと思って自作していた私には異様に見えましたが。
>> 周波数混合 masuda 2011/08/01,12:45 No.877
結局、周波数混合回路は、固定バイアス回路でもできるが、
C級アンプのグリッドコンデンサ、グリッドリーク抵抗によるC級バイアス方式でも可能(いやむしろ、ローカルレベルが大きければ、自動設定が可能)ということになると思います。
>> 周波数変換と検波の関係 潮名誠之 2011/08/02,12:40 No.878
こんにちは。
周波数変換のことをなぜ「第一検波」とか「ヘテロダイン検波」というのか長い間わかりませんでした。
周波数変換と検波は別物のように思っていたからです。
しかしお二人のやりとりを読んで、やっと理解できたような気がします。
なるほど周波数混合の中身は検波だったのですね。
そして検波の本質は2次歪であるということでしょうか。
検波といえば、波の半分をスパッと切り取ることだとばかり思っていたので、2次歪との関連をイメージできませんでした。
>> 広義の非直線性 宇多@茨城 2011/08/02,22:26 No.879
こんにちわ
 判り易い意味での振幅変調波の検波とは、搬送波を取り除いて変調波を取り出すこと・・・被変調波の波形の半分だけ使って包絡線を取り出すことですね。 一方通行の整流作用に限らず、入力と出力が正比例しない状態・・・非直線性があれば検波作用を持ち高調波歪みも発生します。

 振幅変調する無線電話以前は、無変調波〜搬送波の断続による無線電信でした。 受信し検出するには整流してリレーを引いてカチカチ鳴らしたり符号を印刷したり。 そして真空管による再生検波・・・発振させることにて別の搬送波を当ててビートを作り音声で検出しました。 次に振幅変調波方式が発明され、鉱石やら真空管の非直線性で変調波を分離しました。

 混合と検波がゴチャ混ぜになった原因は、再生検波がヘテロダイン(他力)方式の原型となり、安定に増幅するため元の被変調波を「異なる周波数に変更する」ことも検波機能の範囲と理解されたことによりましょう。
 再生検波の発展形オートダイン・コンバータから、さらに進化して発振機能を分離したスーパー・ヘテロダイン構成となって、「周波数変換」という概念が明確化され、混合段を「検波」とは云はなくなってから久しいのですが・・・。
 私が学生だった半世紀前、学校の教材では「第一検波、ヘテロダイン検波」は既に消滅していました。
>> 検波と混合と 宇多@茨城 2011/08/03,09:21 No.880
おはようございます。
 ミキサー段の(RFamp 段も)グリッド回路 C/R 有無と挿入例を調べました。

(1) モノによっては k=グランドで G 検波・・・これは当然ですね。
(2) 同調回路から直接 G1 に接続した例も散見され、 AVC なしの RX やら
  ダウン・コンバータの例は SWL 用かな、それに FM チューナ例でした。
(3) k に結構深い自己バイアス用の C/R を挿入しながら G1 にも C/R を挿入、
  ただし並列給電型 AVC をミキサーにも適用した場合は当然ですが・・・。

上記 (3) は回路図を眺めながらハッと思い出しました。 メーカー製でも自作品でも、無線局設備として運用に耐える RX 条件具備のため、RF amp も含めて G1 に C/R を(直列、並列、AVC 併用)挿入します。 これは自局送信時に RX に飛び込む過大入力に対する球の保護手段・・・グリッドの焼け防止です。


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