かつて、この分科会には、わたしがアンプづくりの師と仰ぐ故村嶋茂さんが数多く登場していました。村嶋さんに弟子入りを申し出たところ、即座に断られたのが昨日のことのように懐かしく思い出されます。なるほど、これでは断られるかなと思える、不肖の自称弟子にふさわしく、また外道部会に似合うか似合わないかわからないアンプが完成しましたので、師を偲んでこの外道掲示板に発表させていただきます。それは、超音波発振器とオーディオアンプ、トウィーターを組み合わせて、ネズミを家屋内から追い出す装置です(写真)。市販もされていますが、1台1万円前後しますし、ネズミの嫌がる超音波周波数がマル秘のようです。だいたい25KHz前後とみられ、21K〜29Kの間で任意に4周波数を選んで、本当に超音波が出ているか耳で確かめるための1.5Kを加えて、計5段階の周波数切り替え式としました。超音波発振はウィーン・ブリッジ回路を用い、オペアンプNJM4558Dを片チャンネル使って発振させました。発振出力を広帯域のアンプに入力して、ジャンクの東芝製3センチトウィーターを駆動するわけですが、ここに金をかけていたら、メーカー製より高くなります。それで、ICのTDA7297を起用した中国製のオーディオアンプと組み合わせました。アンプは安物とはいえ、れっきとしたステレオです。入力は同一信号なので、左右のSPから同じ超音波が出ることになりますが、24時間連続、いや数か月もの連続運転となることに多少不安がありましたので、メインアンプの左右出力を一定時間(約40秒)代わる代わるミュートするフリップ・フロップ回路を組み込んでいます。出来上がった装置は田舎の留守宅に昨年の11月に仕掛けました。12月に点検し異常なく、ことし4月に再度点検、これも異常なし。4月の点検で、留守宅にネズミの新しい糞が非常に少なくなってきたことに気づきました。装置が効果を上げている可能性が確かめられた、といっていいと思います。もっとも、装置以外に市販の装置3台、ハーブのネズミ忌避剤も設置しているので、手作り装置の効果はあくまで可能性ありーの段階です。発振周波数は21.7KHzです。超音波出力は、テスト用に設けた1.5KHzの音圧をわたしの耳で判定して、約500mWです。しばらくこの周波数で実験を続行するつもりです。そう、4月に帰省した折、家の周りに寄りつく野鳥が心なしか少なくなっているような気がしました。超音波はネズミ以外の動物にも多少影響があるのかな、と思います。またネズミ駆除はトラップが一番ですが、留守宅に死骸が転がるのは嫌なものです。
ネズミは、音に慣れてくるみたいで、偶に周波数を変えるとか、しないと、戻ってくるみたいです。(某駆除システムの方から聞いた話では、数か月ごとにメンテナンスと言って周波数を変えているらしい)周波数をスイープさせるとか、ランダムに周波数を変えるとかが効果的かもしれません。サーミスタで、周波数を可変させるとか、CDSを絡めるとか・・・楽しいアイディアが湧いてきますね。
わたしも、周波数への慣れを心配していました。それで、超音波発振は4段階用意しています。次回の帰省時に別の周波数に切り替えてみようと思います。提案いただいた楽しいアイデアについてはわたしの能力を超えそうですが、頑張ってみます。