2005年12月3日 手作り DAC 大集合


日時: 平成17年 12月3日 (土) 午後1時〜午後5時
場所: 万世橋区民会館 3階 和室(秋葉原)

 手作りアンプの会 DAC分科会では、手作りアンプの会公式サイトの100万アクセスを記念して、アマチュアの手作りDAC愛好家の方々の力作が一堂に会する試聴会を開催し ました。(案内はここ)
 初めての試みであるために参加人数の見当がつかず事務局を心配させましたが、 蓋を開けてみると50人超の参加者があり、座る場所の確保に苦労するほど の 盛況ぶりでした。 しかも途中で退席した人は僅か数人という状況で、参加者の熱意には事務局一同が感激しました。 
 DACの音は、R-2RディスクリートDAC系、fujiwaraグループDAC系、じんそんグループDAC系、メーカーDAC系にそれぞれ特徴がある ように感じら れました。しかしながら、それぞれ十分な実力(素晴らしい音と言っても過言ではないと思いました)を示していました。DACを自作する方にとっては、色々 有用な情報を手に入れることができた会であったと思われます。

 最後に、参加して下さった皆様に感謝を申し上げます。

 fujiwara さんのサイトにも報告記事があります。fujiwaraさんあがとうございます。)

使用したDAC接続機器、パワーアンプ、スピー カー等

DACへの接続機器
右上が音源として使用したマランツ CD-23Da CDデッキ
・比較試聴用音楽には、Thomas Duis Live on Klavins Mod.370の「熱情」第一楽章を使い、その他に各人が選曲した曲を再生

中央の上側がデジタル出力分配器: 光入力と同軸入力の各1本をスイッチで選択し、それを光出力5本、同軸5本の計10本に同時に出力するもの。同軸の入 出力はAnalogDevicesのDS8922AというRS-422ドライバレシーバを使用。

中央の下側の機器がボリューム付きアナログ回路セレクタ: 5chのステレオライン入力を切り替えて、ボリューム調整するもの。5chの入力それぞれの個 別のボリュームに加えてマスターボリュームを備え、デジタル分配器と併用することで5台までのDACの瞬時切替試聴が可能。ボリューム調整には PGA2310というデジタル制御ボリュームICを使用。

左側が無 帰還半導体パワーアンプ


スピーカー
主に右下に写っているFE-167E改使用ボッフル型システムを使用。DACの差が出やすいように、ツィータのレベルを高めに設定したが、大音量でも全く うるさくならず音の違いを明瞭に再生
低音が必要なソース用に中央の上野氏作平面スピーカー使用ボッフル型システムを用意。コントラバスの音楽再生に実力発揮

FE-167E改スピーカーシステム
・ユニット: FE-167E改造(伊勢型紙渋紙コーン使用大澤ユニット; 2.2μF+12Ωのインピーダンス補正あり)をフルレンジで使用
JA0506IIツィー タ(0.27μF+12Ωのインピーダンス補正あり)を高域側に追加
・箱:ボッフル型
・JA0506II用ネットワーク: 低域カットコンデンサ(マルコンHACB 0.47μF) + -12dB抵抗アッテネッター(12Ωを直列、8.2ΩをJA0506IIと並列に接続し、入力インピーダンスを16Ωに設定)

上野氏作平面スピーカーシステム
・振動板は、50mm厚の発泡スチロールを円錐形に切り出して、表面に紙を貼ったもの。
・ボイスコイルは手巻き、ボビンはハトロン紙(封筒紙)。
・磁気回路はFOSTEX FE-108Sの流用。
・箱は12mm厚の合板の後面解放箱の中にフェルトを6枚間隔を置いて貼り、スピーカーの後ろの軸上に穴をあけたボッフル構成。


「手作りアンプの会」発表DAC(含CDプレー ヤー)

上野さん
R-2Rラダー 型ディスクリートDAC1号機 登載 CD−プレーヤー

荒木さん 9電源DAC
PCM1702の2パ ラのDAC

蝦名さん
上野式 CD-ROMコントローラ+R-2Rラダー型ディスクリートDAC CDプレーヤー

松崎さん
上 野式CD-ROMコントローラ+R-2Rラダー型ディスクリートDAC(上野作基板使用) CDプレーヤー

石田さん R-2Rラダー型ディスクリートDAC

・上野作DACコントローラ基板使用、左右出力タイミング修正追加。
・0.1%高精度巻線抵抗を使用し低歪、低グリッチ。
・4トランス4電源、クロック発振部を独立電源で動作。
・外部同期(WordSink)端子装備。


大塚さん

上野式ATAPIコントローラ+フルーエンシ型FN1242DAC(新潟精密FN1242評価ボード) CDプレーヤー

利便性向上のためELEKIT赤外線リモコンも搭載

fujiwaraさんのグループ発表DAC

Kzzさんの DAC8D SUPER

基板を交換できるようにしているDAC。オペアンプなどの切替による比較試聴が容易にできます。 一般に利用されているオペアンプ、金田式アンプ型ディス クリートオペアンプ、マイクトランスによるI/V変換の音など を聞かせて頂きました。



KephisさんのDAC1704S

生録のソースなどを再生しましたが、演奏の様子がよく再現できていました。


TADSINさんのDAC1704-4D(下 側)
オーバーサンプリングの有無を切替可能。オーバーサンプリングによる音の変化がよく分かりました。
また、TADSINさんが取り組んでいる高 音質CD-Rの音も聞かせていただきました。

inagaku178さんのNOSDAC+DSIX(上側の2台)

DSIXの有無による音の違いを聞かせていただきました。


fujiwaraさんのDAC8D
8パラ差動
すごい数のDACを使用。オーバーサンプリングの有無による音の違いを来場者と一緒に確認しました。

じんそんさんのグループ発表DAC

じんそんさんのDAC その1 TDA1543 4パラ
TDA1543 x 4パラ、抵抗I/V、LC-LPF(電流LPF)、4fs-OS/NOS切り替え、+12V単一電源駆動

じんそんさんのDAC その2 TDA1543 球バッファ
TDA1543、抵抗I/V、LC-LPF(電流LPF)、NOS、WE396A真空管バッファ
真空管はカソードフォロアで使用。B電圧は、+9V、 +12V単一電源駆動

クリアでありながら真空管バッファの良さが出ていました。暖まるまで時間がかかるようです。

じんそんさんのDAC その3 TDA1541 LR分離 球バッファ
TDA1541 x 2、LR分離で、各TDA1541は片チャンネルのみ使用
OPAMP I/V、4fs-OS/NOS切り替え、6DJ8真空管バッファ 真空管はカソードフォロアで使用。B電圧は、+18V

こちらもクリアでありながら真空管バッファの良さが出ていました。やはり、暖まるまで時間がかかるようです。

LUCYさん作 じんそんDAC TDA1541 LR分離 OPAMP I/V
TDA1541 x 2、LR分離で、各TDA1541は片チャンネルのみ使用 OPAMP I/V

残念ながらパワーアンプの保護回路が働いてしまい、試聴できませんでした。

じんそんさんのDAC その4 TDA1541 2パラ トランスI/V
TDA1541 x 2、LR分離し、各TDA1541は両チャンネルつかって2パラ使用
MCトランスによるI/V変換、4fsオーバーサンプリング

来場者から、音楽の雰囲気をよく再生できているとのコメントが多く出ていました。



個別参加DAC

cafeblue_akiraさんのTDA1541 DAC
部品は汎用品を使用ということでしたが、他と較べても遜色のない音質でした。


ほいさんのPCM63 8パラ DAC
10年くらい前の設計とのことですが、古さを感じない音質でした。



以下、展示品の一部






こんな展示品もありました(松崎さんの秘密兵器 M-BOX


会場の様子


2005.12.6 文章:上野、蝦名 撮影:石田、蝦名 編集:上野