萩野さんの超3アンプ製作記


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予備実験です。

まだ一度もアンプを作ったことがないくせに、内部配線にはコダワリがありまして(苦笑)、今回の内部配線はすべて0.5Φ銅単線でいくことに決めました。0.5Φ銅単線は一度スピーカーケーブルに使用すれば病み付きなることうけあいです。
 さて、部品集めのときICソケットを眺めていたらちょっとひらめきまして、0.5Φ単線をさしてみたら何とぴったり。部品の接合部分はハンダづけではなく、全部このICソケットでつなごう、と大それたことを考えたのでした。
 でもICソケットで音質が劣化したら元も子もない、ということでまずはスピーカーケーブルの途中にICソケット接合部分を作って(写真)予備実験。視聴してみました。
 この単線ケーブルは手持ちの3000円/mまでのどのケーブルよりも鮮度&解像度が高いのですが、ICソケットを間に挟んでもほとんど音質の劣化は感じられません。これならいける、ということで”ハンダづけの代りにICソケット計画”が発動したのでした。

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電源部です。

ショートしそうな危なっかしい配線ですね(汗)。
B電源、ヒーター電源ともこの段階で左右別々に分け、スターカッド縒りにして本体部まで伸ばしています。配線の0.5Φ同単線にはLANケーブルを使用しています。

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B電源トランスです。

テープで絶縁・・・。アブナイですね。
熱圧縮チューブを手に入れてきれいに仕上げたいです。ICソケットでつながってるのがわかるでしょうか?

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本体内部です。

バイアス抵抗がブラブラしてます(汗)。
とにかく最短で配線を、と作ったらボリュームの隣に入力端子が来てしまいました。

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ソケット部分もICソケットを使って配線しました。

抵抗などをハンダ付けし直すことなく交換できるのでなかなか便利です。
初段に使ったコンデンサはOS-CON、出力段にはニチコンMUSE、バイアス抵抗はDALEの巻線抵抗を使っています。ミーハーなもので・・・。

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何とか出来上がった、という感じですね。

ボリュームの横に入力端子があるので何とも使いづらいです・・・。

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出力トランスにもICソケットを使用しました。

出力インピーダンスを簡単に変えられるので手軽に音の違いを楽しむことができます。家では0.5Φの単線をスピーカーケーブルに使っているので、出力端子はつけませんでした(苦笑)。このままICソケットにつなぐので端子による音質劣化がありません。でも自分の家でしか使えない仕様ですね・・・。

[感想]
ハンダ付け部分を全部ICソケットにしよう、なんて大それたことを考えたためにメチャクチャ手間がかかりました。
使ったソケットは100個以上で、普通に作るより倍以上の時間がかかったと思います。真空管ソケットにICソケットをハンダ付けしたときには自分の計画の無謀さを後悔しました(笑)。
苦労したかいあって部品の取り替えが簡単なので、抵抗やボリュームの交換などを手軽に試すことができます。本機の位置づけは実験機で、いろいろな使いこなしを検討したあとメインアンプにするべく気合の入った一品を作ろうと思っています。初段を真空管にして左右別電源にしようと計画中です。

[ハム、ノイズ]
まずハムですが、耳をスピーカーに10cm程度まで近づけてかすかにブーンと低い音が聞こえる程度です。この程度は仕方がないのでしょうか?市販の6L6GCシングルはハムはまったく聞こえないのですが・・・。続いてノイズですがヴォリューム全開にしてもサーというノイズはまったく聞こえません。

[音質]
とても透明感が高くて、躍動感があります。小気味よく音がぽんぽん飛び出してきます。ジャズなんかはとてもあいます。
手持ちの6L6GCシングルに比べて低音のドライブ力があります。S/N比もむしろ高いくらいです。ただ今一つ深みというか陰影に欠けるところがあります。この辺は初段を真空管化すれば改善されるかもしれません。そうすればメインアンプの座を奪いそうです。

2001/01/08