結構難しいアンプとスピーカの整合

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なぜ PR するか

 僭越ながら電気通信に関係した者としては、文字・音声・映像等の放送、通信と同 様、オーディオの世界でも「電気作用を通して人々がより幸福になる手段」を推進す るのは当然と考えます。 具体的には、皆様がより楽しめるオーディオアンプを考え 、試作し、このホームページおよびアンプ・コンサート等を通じて PR することが、 より多くの方々と楽しみを分かち合う途であると考えます。 すなわち、同じ食材で もより美味しく戴ける料理法をご紹介するのと同義で、その料理法を知って戴き、よ り多くの人に美味を味わって戴きたい訳です。

スピーカとの整合

 最近、そのような関係で聴衆の皆さんの前で自作アンプを鳴らす機会が増えました 。 それに伴い、本来知っていた筈の「アンプとスピーカの整合」課題を改めて認識 することになりました。 まず事の発端は、普通の家庭環境の部屋、スピーカ、ソー スによる動作試験では、必然的に音量が制限され、課題の発見が後手になることです 。 すなわち、家人や隣近所への迷惑を考え、必然的に制約される音量では、検知が 困難です。 自宅用としてはその範囲で十分であると思いますが。
 しかし、アンプ・コンサート等にて演奏するとなれば、数名規模でヒッソリ鳴らすのとは全く様 子が変わり、たとえ 20名収容の音楽室であっても、150名の小ホールであっても、ア ンプはもとより、スピーカ自体、その設置位置方法、室の残響、・・・色々な要素に 支配されます。 このようなコンサート演奏会場では、予定されたよりも能率の低い 、または個性の強いスピーカを鳴らすなど、何度か失敗した経験から、以前「省電力 オーディオ」を提案したに反して、PR 活動用のアンプはパワーアップせざるを得なくなりました。 最近試作するアンプが大型化しがちな理由、言い訳です。

アンプ出展者の立場

 部屋、スピーカ、音量、ソース、聴衆に対しては、コンサート主催者が一生懸命準備して下さったのであり、たとえ不満があっても、アンプ出展者は本質的に given の条件として受け入れるべき立場にあります。 しかし反省会等の機会があれば、必 要と判定された事項については恐れず改善を申し出ねばなりません。 そうすれば相互の認識・技術が向上し、再発防止できるからです。
 客観的な「総合的デキ具合」はアンプのデキ具合はもとより、演奏環境、ソース、 聴衆による客観評価に依存しますが、良くも悪くもアンプに集中しがちです。 アンプ出展者は、それを全面的に受け入れる鷹揚さが求められます。
 それでもなお、アンプの違い〜より美味な料理法〜を理解して下さる方が次々に現 われるからこそ、懲りずにPR 活動を続ける訳です。

1999/10/23 宇多

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