辛口の自作アンプ考

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いきなり 2jj アンプ!?

 ある中年の人から 「2jj のシングル・アンプを作るのだか、球は、配線材料は、トランスは」・・・と電話にて質問がきました。 そこで材料吟味の課題はさしおいて「これまでのアンプ製作歴はどんなですか?」と尋ねたら「キットを含めて一台もない」そうで「電子工作など、半田付や回路動作実験等の経験はありますか?」も、ないとのことです。
 要するに「経験・知識インフラ」が未整備ですが、彼にはその状態がどのようなことか判らないようです。 「音が出れば成功」で済むのならばともかく、調整や修理はできるの?。
 それよりも恐ろしいのが感電事故。 これは自動車の運転事故と同様で、精神的苦痛と物的・金銭的損失を体験しないと、身に付きません。 彼はペーパードライバーどころか、教習所にも行かずにイキナリ高速に乗るわけです。

訓練不要?

 それで「事前に小物を手がけて、腕ならしされたら?」には「その必要はない」でした。 これは危ういと思い「そうお考えならば、当方は責任持って対応できませんので、悪しからず」とお断りしました。 多分彼は「こいつは{2jj の経験がないから}ダメだ」と思ったことでしょう。 お断りした理由は、万が一でも感電事故を起こしてもらいたくない・・・からですが。
 後日聴くところによると、キットを購入し、取り付け配線だけ自分が行い、調整は誰かに依頼するらしいことが判明して、電話の不可解さを理解し、やっと安心しました。
 これを「自作」と言うのですね。 私は殆ど「委託製作」だと思いますが。 調整する人は、まず誤配線の点検から、引き直し修正など、さぞかし大変でしょうね。 でも有料ならばそれも料金の内ですね。

自作?いや工作

 自作に挑戦することは結構なことです。 しかし 2jj の彼のスタイルならば、間違っても裏蓋を開けることはないでしょう。 結局、彼は何をしたのでしょうか?、ネジ止めとハンダづけ?。
 小物トレーニングを経ながら内容に入れば、辛いけれど勉強になるし、楽しいし、自作の真髄を理解するまたと無い機会だったのに、スゴク勿体ない・・・・ 

 1999/07/10 宇多

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