趣味としてのアンプ作り
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私の手元に変ったアンプのサンプルがあります。名前は申し上げられませんが、今後某社の製品となるだろうアンプです。アンプは裸の基板で9cm×4cmほどのガラエポの基板です。表面実装のICとチップ部品が乗っています。驚くべき事はそのサイズで20Wの出力が得られる事です。ちなみにヒートシンクはありません。
トランジスタアンプぐらいまでならディスクリートで製作が可能です。ICとなると自分の設計したICを作っていただくと数千万かかります。個人では到底不可能です。性能面でも自作のトランジスタアンプではICアンプに追いつけなくなる事でしょう。
趣味でアンプを作っていて思うのですが、真空管アンプ、特に小型のシングルアンプは実に良い素材です。オリジナルな物が簡単に作れしかもそこそこ良い音です。効率が非常に低く、しかも性能が悪い(数値的性能)。効率を追求するメーカーはまず手を出さない領域です。只、未だに愛好者が多いのは何かあるのでしょう。言わば趣味だからこそ選られるアンプなのです。
趣味というもの個人の責任でやる物です。と言う事は何をしても自由という事です。(他人に危害を加えない限り)だったら、いろいろやってみましょう。球はタフですので多少の無理も利きます。怖がらずに変な回路を付け足してみましょう。馬鹿馬鹿しい実験もしてみましょう。そんな無謀な実験の中に重大な発見が埋もれている可能性があると思います。趣味としてのアンプ作りの魅力は、メーカーが手を出せない、ここにあると思いますが、いかがですか。
1999/10/30 田村
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