アマチュアであること
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会社で同僚からこんな事を聞かれる事がある。
「仕事で回路いじって..家に帰ってまで、よくアンプいじる気になるね...」
傍から見ると同じ事をやっているように見えるかもしれないが、私にとっては全く違う事をしている意識なのである。会社での仕事は納期があって仕様が決まっていて、決して大胆な冒険はできない。まして、こんな御時世であるから極力経費を押さえなければならない。私は楽しいと思うように心がけているが、本当は楽しい仕事ではないのかもしれない。しかし、それは当然の事と思う。
さて、家でのアンプいじりであるが極めて気楽にやっている。別に納期があるわけでもないし、死守する規格も無い。音がちゃんと出て音楽が楽しく聞ければ良いのである。その上、仕事では許されない冒険のしほうだいなのである。この、冒険と言う所にアマチュアである事の最大の利点があると思う。他の世界では冒険したアマチュアがいろいろな業績を残しているのをご存知の事と思う。ある時には新しい産業まで生み出す力をアマチュアは持っている。アマチュアである事は非常に大きな可能性を持っていると言えるのではないだろうか。
そして、アマチュアである限り、いくら冒険して失敗しても誰かが被害を被ったり困った事にはまずならない。だから、興味の赴くまま、いろいろと試してみるべきである。変な部品がいろいろと付いていても別に良いのである。「オーディオに関しては50年も前にアメリカの何とかと言う会社が既に研究し尽くした...」という話しをしていた人がいた。貴方が健全なアマチュアならこんな話しは信じてはいけない。(たとえ本当だったとしても)そんな話しを信じるのはノストラダムスの予言を信じるのと一緒で、希望と楽しみを奪う事になってしまう。
もし貴方が健全なアマチュアなら、大胆に非常識にアンプいじりをしよう。きっと新しい何かが見えてくるだろう。
!注意!安全に関しては常識通りきちんと配慮しましょう。
1999/09/15 田村
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