真空管アンプ道?

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 最近オーディオ誌を買わなくなった。理由は簡単、つまらないからである。以前は、毎月発売日が楽しみだった。それが、だんだん惰性で買うようになった。ある日、「何で買ってるのだろう?」と思い、以後買わなくなった。同じような記事が多い。それに、高価な部品を多用しておいそれとは作れない。まるで、オーディオとは金持ちの道楽で貧乏人は見て楽しめと言わんばかりである。それと比べると、「手作り真空管...」は貧乏臭いページである。

 言い訳がましい事を書くが、私たちの目的は過去の回路のお浚いをするのではない。特に有名な球を使ったアンプを作って自慢する事でもない。物理特性を追求する事でもない。まして、奇麗なアンプを作る事ではない。このページの目的は音楽性の有る回路の研究である。そして、提案する事である...

 日本人は道が好きだと言われている。書道に剣道、華道、道に事欠く事はない。長年の試行錯誤の結果、真空管アンプは「真空管アンプ道」になっているのだろう。ブランド品のトランスと高価なフィルムコンデンサを使わなければアンプでは無いのだろう。使う球は直熱3極管で古いほど良い。球を横並びに重厚なシャーシに見えるように配置しする。様式美の世界である。それで、全ての人が満足できるのなら問題ないのである。しかし、私のように努力が嫌いで、好き勝手やりたい人はどうしたら良いのか。まして、それが初心者ならどうしたら良いのか。仕方ないから道に従って高価な物を作る必要が有るのか。最初はそれくらいの出費は当然なのか。出費をケチっては上手くならないのか。
更に、道にするのは構わないが、多様性を失っては衰退は免れない。

 こんな悪態を吐いた事がきっかけで、どこかの雑誌が駄球シリーズでも始めれば面白いが...

1999/06/28
田村
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