良い音、悪い音、その参

「感動した音」

トップに戻る 過去のコラムを見る


何を書こうか迷っているうちにホームページは50000カウントを突破してしまいました。この場をかりてご愛読されています皆さんに御礼申し上げます。今後とも宜しくお願いします。

CDでもレコードでもラジオでもなんでも良いですから、聞いて感動した事はありますか。私は20年程にわたってオーディオで遊んでいますが、何度かその様な状態があった事を覚えています。

たまたま友人の家に遊びに行ってFMで「フィンランディア」を聞きました。演奏はフィンランド国営放送オーケストラ(N饗みたいなもんです)でした。「フィンランディア」はカラヤンが有名です。私も学生時代吹奏楽をやっていた為、良く慣れ親しんだ曲です。この「フィンランディア」は凄かった。演奏が上手い下手、音質が良い悪いは結局関係ないと思いました。演奏者の静かな熱気の様なものが伝わってくるのです。「俺も一緒に戦うぞ」と拳を握り締めたくなる。何か決意をしたくなる、そんな演奏でした。フィンランドは他民族支配が続いた国だそうです。その様な背景がきちんと解らないとできない演奏なのでしょう。生、録音、を問わずオーケストラを聞いてこれだけ感動したのは前にも先にもこれでした。

もう一つ感動した話です。私は20年にわたってある女性ミュージシャンを聞き続けています。オーディオファンの皆様からすると「なぜ」と首を傾げるのではないかと思いますが..(ご存知の方もいると思いますが秘密ですよ)さて、2年ほど前、持病の十二指腸潰瘍が再発し倒れた時の事です。家で養生している時に何もやる事が無いのでいろいろと聞いていました。ぼーと、彼女の20周年記念?だかのCDを聞いていました。いつも聞いているはずのCDなのにその時は違いました。いろいろな事が走馬灯の様に思い出され、今の自分を、それでも良くやってると誉めてあげる事ができたのです。私は癒され、そこから活力をもらったのでした。聞き終わると不覚にも涙が出ていました。

今思うと、幸せな体験だったと思います。オーディオ装置は一般的には音楽を再生する為の物です。(以外の使い方もありますが..)只の機械ですし、録音は全てを記録できるわけでもないし、再生系に至っては到底、生と同じにはなりません。それが、演奏者の感情等を伝えてくるのは実に不思議です。私が感動した時の音は、間違いなく「良い音」だったのでしょう。オーディオを通じて、もっとこの様な感動を貰えたら良いなと思っているしだいです。

支離滅裂になってしまいました。
次週は50000カウントに寄せて、関係の方からのメッセージを掲載します。

2000/06/11 田村