良い音、悪い音、その四

「オカルトオーディオ」

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オーディオ関係のオカルトクッズが最近増えたような気がします。
音の良くなるCDとか、ケーブルに入れるコア、防振対策グッズ、と数えればきりがないと思います。これらのグッズは本当に効果があるのでしょうか。また、どこからオカルトなのでしょうか。
以前、コラムで針小棒大というテーマで書きましたが、オカルトグッズの説明には、もっともらしい事が書かれているのですが、全体の比率から行くとほんのわずか、多分、気温の変化のほうが影響大と思われる部分を上げている場合がほとんどです。私は何件かその様なグッズのテストに立ち会いましたが、大抵全く変わらないか、よく解らないぐらい少しか、ひどい場合には、情報量が減ったり、ノイズが増えたりと何か変な場合がほとんどです。そして、共通している事はオカルトグッズを紹介する人間が饒舌と言う点です。ちょうど一時期問題になった催眠商法みたいな話しかたです。多くの場合、取り巻きがいて取り巻きの皆さんは熱気をおびていたりします。
でも、気持ちの持ち様で音はどんな風にも変わる様ですから、納得できる人はそれで救われるから、別に良いでしょう。しかし、引っかからない人(オーディオに興味がないとか・・・)から見ると、不思議な光景です。

私は、けっしてオカルトが悪いとは思いません、精神的な面が大きく左右する以上、最後にその様な曖昧さが残ります。でも、そこばかりに突進しては変です。オカルトをやるなら、オカルトと言った上で正々堂々とやりましょう。例えばコンデンサに張る「おふだ」とか、魔除けのCDとか、あったら面白いですね。(手作りの会でお札作ろうかな)

さて、本題とは関係ないのですが、一見オカルトと思われる事でも、10人中7、8人が良いと言えば、何か隠れているかもしれません。問題は、オカルト現象を見つけた人が「なぜ」と言う疑問を持たない事です。あたかも神秘な事に価値があるようです。疑問を持ってはいけない様です。この様にして付加価値を高めているのでしょうね。
SDはそんな意味で微妙と思われるかもしれません。ところが、これはオカルトではありません。オカルトにするには何其れのダイオードでとか、何年の整流管とかの指定が必要でしょう。そして、原理を考えるに当たっては内部のガスの具合とか、不純物の量とか(ゲルマなんて良いかも)が良いからとしなくてはなりません。けっして、どこのダイオードでも良いとか、最近の物が良いなどとは言わないでしょう。

それではオカルトが嫌いな人はどうしたら良いのでしょう、答えは簡単、一から冷静になって調べてみましょう。大発見の可能性もあるもしれません。

2000/07/03 田村