プリアンプについて
トップに戻る 過去のコラムを見る
CDの普及でもはや盲腸と化してしまった感のあるプリアンプですが、それでもアナログを捨てきれない人たちには必要ですよね、プリアンプ。そこでわが黒魔術プリアンプのご紹介をさせていただきます。
これはデンオンのPRA-2000でして、長岡鉄男氏が長いことリファレンスに使っていたのでけっこう有名でしょう。私は秋葉原の清進商会で中古を手に入れました。買った当初はこれに手を加えるなんて思いもしなかったのですが、リレートラブル(音が出なくなったりする)から開腹手術、リレー交換をしてからというもの堰を切ったようにいじり倒してしまいました。
まず、リレーの信頼性の問題があります。高信頼とは云えないんじゃないか。ということでこれはすべてジャンプすることにしました。そうすると、入力切替もできなくなる道理ですが(爆)、REC SELECTORのみがロータリースイッチを使っているのでデフォルトのPHONO 1系統の他にREC IN 1と2が使えます。現在これにCDPとチューナーをつないでます。
次がケミコンの総取替えです。マニアなブラックゲートを搭載してみました。要の電源部は無極性BGによる超電解接続を採用。さらに回路図をみると信号経路に直列に入っているケミコンもあります。これは当然除去。カップリングCもお気に入りのものに変更しました。これには苦い失敗談がありまして、交換したCをぶらぶらさせていたためにシャシーとの接触事故を起こしてしまい、電源回路の半分をとばしてしまいました。これも何とか先輩諸氏からアドバイスを戴いて自力で修理しました。
次はトランジスタの交換です。「定電流回路の石を交換すると音が変わる」という先輩諸氏の言葉どおり、まずは1カ所(イコライザー第2アンプ)交換してみると、石によってほんとにごろごろ音が変わるんですよねえ。現在ここには金田明彦氏ご推薦の2SC1400 が使ってあります。他を圧して高音質です。イコライザー第1アンプとフラットアンプの定電流回路の石も最近交換しました。
この経験はほんとに貴重でした。全段差動PPアンプも定電流回路が必要ですが、で、みなさんそこに使用するデバイスにはあまり頓着されていないようですが、全段差動PPアンプであってもここの定電流回路のデバイスはあだやおろそかにできないのじゃないかと私は思っています。
次は抵抗器の交換です。ふとしたことから使用されている金被抵抗が磁石にくっつくことを知りました。こうなると俄然交換したくなってきます(爆)。増幅部に使用されている抵抗器の数およそ百数十個、これを全部デールの金被抵抗に交換しました(爆)。海神無線で買いましたけど、1個\60が百個以上買うと\50にしてくれるんですね。
もう一つ、PHONO入力抵抗の変更。みなさんはその昔、SAECが開発したTIMECONSTANT EQUALIZER というものをご存じでしょうか。MMカートリッジ用のアクセサリーですが、原理はMMカートリッジがそのコイルインダクタンスの大きさからカートリッジが発電する電力をアンプが負荷抵抗で受け取るときに位相差を生じてしまう、これをカートリッジのインダクタンス:直流抵抗と同じ比率のインダクタンス:直流抵抗(これがPHONO抵抗の代わりとなります)で受けることによって位相のずれをなくそうとする工夫です。単体の製品であるTC-11を持っていたのでこれからインダクターを取り出し、愛用のカートリッジSHURE TYPEV15VX に合わせてPHONO負荷抵抗を変更しました(1.6KΩぐらいです)。抵抗とインダクターをシリーズにしてPHONO負荷抵抗とします。これによ
る定位感と低域の改善は顕著です。
とまあ、いろいろやってきたわけですが従来に比べて2倍以上の音質改善効果というのを少なくとも5〜6回は経験しましたから、現在の私のPRA-2000はオリジナルと比べて少なくとも32倍は良い音がしてる(爆)と思っております。
次はボリュームとバランスを交換しようと思っています。セイデンのロータリースイッチ(2段2回路22接点)に既にデールの金被を装着し終えました。今週末にでもまた開腹手術をする予定です。
昔憧れていた名機を中古で買ってきていじり回すのも自作と同じくらいおもしろいですよ。
では
Rudy こと 小林龍司
** MHH02171@nifty.ne.jp ** <99/11/28 14:02>