オーディオファンは危険な存在??

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最近友人の電話屋さんと飯を食う機会があり、その帰り際に「屑電線あったら頂戴」と言ったら「何に使うの?」としつこく聞いてきます。今更「真空管アンプの配線」とは言いにくかったのですが、あまりにしつこいので白状しますと、「あれ、君もそんな趣味があったんだ?」と言ってきました。結構ブランド品の名前なんぞを良く知ってるので「**さんは詳しいですね!昔凝ったのですか?」と聞きましたら・・「空調設備の@@知ってるよね?あいつタンノイのSPとマッキントッシュのアンプを最近買ったんだよ!」と投げやりに言います。「@@さんて**さんの幼なじみで、一緒に会社設立するとこまで行って、できなかった人ですよね・・お金あるね!」と言いますと**さんは「あの時いくつかの現場で下職の支払いができなくてうちが泣いたんだよね。その時の金額がSPとアンプの値段なんだよ。それを半年も過ぎないうちに本人が自慢げに見せびらかすかい?」と御怒りのご様子です。まあ、良くある尾鰭背鰭の付いた世間話で、**さんの話しが100%正しいとは思えませんし、嫉妬や愚痴に近い話しである事は明らかですが、多少なりとも二人の関係を知っていたので『オーディオぐらいで30年来の人間関係を破棄できるな』と思いました。それと同時に「オーディオファン=高級ブランド志向」という認識は、世間では当たり前の事なんだと改めて感じた次第・・

そう言えば「愛犬家」の方々のサイドビジネスで殺人事件があったのを思い出しました。あれは極めて特殊な事件で、自宅で犬を飼い、散歩させている一般の方とは別のお金がらみの醜い騒動の果てと認識していましたが、高級な犬は数百万円もするそうで、借家住まいの小生からするとやはり嫉妬や愚痴に近い感情を持っているのは事実です。でもペットを可愛がると言うのはどんな雑種でも生き物に対する「愛情」の表現であり、高いから可愛いとかの問題ではないと思います。・・・私の個人的な意見ですが・・・

でも、考えてみますと先日上の階の奥さんから「夜中のJAZZはやめて!」と言われましたが、単に私が夜中に大きな音でかけたからとの認識で音を絞ってバロックを中心にSPも小さいのを用意して・・・と勝手に自粛したのですが、**さんの話しを聞いて・・・「私の認識外の怒りがあるのかも・・・」と思いました。私はHP見てもらえばわかりますが、決して「オーディオファン=高級ブランド志向」ではありませんし、皆さんから見てもお話にならない末端の者ですが夜中に聞こえてくる音に高級も低級もありません。日常外の存在なんだと思います。・・難しい!!

オーディオで殺人事件が起こるとすれば騒音以外に考えられないのですが、ここに極端なブランド志向とか金銭的な欲望が絡むとオーディオ本来の感性とか技術・文化とはかけ離れた市場原理に基づいた競争が起こりその果てには・・・まあ、犬を増やす様に年代物や希少価値のある真空管やアンプを育てる事は不可能で、あの様な事件が起きる事は絶対に起きない・・・

せめて上の階の奥さんにしかられない様に気を付けましょう。

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